ソフトバンク、米ワイヤレス市場で損失削減を模索

Wall Street Journal紙によれば、日本のコングロマリットで投資会社のソフトバンクが、米国のワイヤレス市場からの撤退を模索しているという。
ソフトバンクは最近、T-Mobile US社のSprint社買収に伴い、T-Mobile US社の普通株式の約25%を取得したが、T-Mobile US社の大株主であるDeutsche Telekom社に株式の大部分を売却することを交渉している。この取引が成立すれば、Deutsche Telekom社は最近合併した同社のほぼ完全な支配権を得ることになり、米国のワイヤレス市場におけるソフトバンクの野望は事実上潰えることになる。ソフトバンクは2012年に220億ドルを投資してSprint社の支配権を獲得し、当時Sprint社を市場No.1のキャリアにするという高い目標を掲げていた。
ソフトバンクはSprint社の事業に大きく直接関与していたものの、Sprint社の課題は克服できないほどのものだった。ソフトバンクは、初期投資から数年で財布のひもを締め始め、Sprint社が自力で陥穽から抜け出すことができないことを事実上認めている。
ソフトバンクの孫正義会長は2014年にSprint社とT-Mobile社の合併を模索し始め、2017年にも模索したが、2018年まで合意に至らなかった。先月に両社が1つになるまでの2年間にも、苦しい戦いが続いていた。
ソフトバンクの長く続いたSprint社に関する骨折り
ソフトバンクが米国ワイヤレス市場へ8年間関与したことは長い骨折りだったが、孫氏はこの投資は財務的には報われたとしている。また、Sprint社は2019年末時点で負債総額が373億7000万ドル近くに達しており、過去10年間で250億ドルの損失を出していた。
T-Mobile US社の方が間違いなく成長と利益の面で優れているが、ソフトバンクは他の事業への巨額の投資で損失を拡大しているため、財務全体の改善のために資産の売却を模索せざるを得ない状況にある。
ソフトバンクの主要事業は年間合計で130億ドルの損失を計上し、投資ではさらに180億ドルの損失を出した。同社は流動性を高め、大規模な自社株買いプログラムに資金を供給するため、410億ドルの資産を売却することを約束している。
CNBCによると、ソフトバンクは合併契約の条件により今後4年間はT-Mobile US社の株式の大半を売却することはできないが、売却は同じ条項の当事者であるDeutsche Telekom社との調整のもと、売出として行われるだろうとされている。
T-Mobile US社の現在の時価総額は1,259億2,000万ドルで、ソフトバンクの同社への出資総額は約315億ドルとなっている。

SDxCentralのシニアエディター。5Gネットワークオペレータ、無線アクセスネットワークサプライヤ、通信事業者ソフトウェアベンダー、クラウドを担当している。彼はiPhoneの夜明け前からテクノロジーについて書いており、ソーシャルになる前からメディアをカバーしている。
連絡先: mkapko@sdxcentral.com または @mattkapko

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