T-Mobile US社の経営陣は5Gに関する自社の技量を一貫して熱心に謳っている一方で、本格的に5Gの時代になるのは2023年以降になると予想している。

CFOのPeter Osvaldik氏が米調査会社MoffettNathansonの「Media & Communications Summit」で行われたインタビューで語ったところによると、4G LTEの黄昏が訪れるのは2023年で、それまでに5Gを採用していない既存の顧客や見込み客が「完全に5Gの検討モードに入るだろう」という。

T-Mobile社は2023年末までにミッドバンド5Gのカバレッジを米国人口のうち2億8,500万人に提供するとしている。「5Gがオープンになり、ますます検討されるようになるころ、当社はゲームチェンジャーであるミッドバンド帯で人口の90%をカバーしていることになります」とOsvaldik氏は話し、それまでにT-Mobile社がカバーする予定の農村地域をAT&Tはカバーしていないだろうと付け加えた。

ミッドバンド5Gの広範なカバレッジと5G時代の到来が合わさり、米国内の多くの地域でミッドバンド5Gサービスを提供する唯一の通信事業者となっているT-Mobile社の地位は高まるだろうと氏は言う。

「ベライゾンが4G時代の黎明期にそうであったように、当社は5Gで大きくリードしています。5G時代に国内のいずこにあっても重要となる、大きく持続的なリードを保つのに必要な資産とチームを当社は持っています」と氏。

T-Mobile社の農村地域における現在の市場シェアは10％台前半だが、2025年までに約20％まで伸ばしたいと同社は考えている。また、エンタープライズ向けや中小企業向けのセグメントでも2025年までにシェアを20％にすることを目標としている。

T-Mobile社、ミッドバンド5 Gで競合他社を上回る

T-Mobile社の技術担当プレジデント、Neville Ray氏は、「ローバンドの拡張範囲を何に使うかもそうですが、カバレッジの観点から言ってもパフォーマンスの観点から言っても、ミッドバンドは5G体験を広げる主要な推進要因となっています」と話す。

「ミリ波の話は語りつくされており、今はやや放っておかれていると思います。ミリ波は有用な資産であり、会場や限られた地域、大容量が必要な場合などに利用できますが、広範囲をカバーすることはできません。そのことは誰もが知っており、もう語り尽くされたことでしょう」と氏は言う。

Ray氏によれば、T-Mobile社は今年末までに2億人、来年には2億5,000万人の人々にミッドバンド5Gを提供できるペースにあるという。

「Time to Market（市場投入までに要する時間）は重要です。これまでの歴史を見ても、次世代の技術について意味のあるパワフルなやり方で最初の1歩を踏み出す企業は、そのセグメントや時代をリードする企業になっています」と氏。

Ray氏はまた、この投資家向け仮想カンファレンスで行われたインタビューの中で多少の計算を行い、今年末までにT-Mobile社が備えるミッドバンド5G能力と比較して、ベライゾンが備えるのは3分の1以下、AT&Tはわずか15％にとどまるとした。

「AT&Tとベライゾンは、当社の展開ペースに追いつくにはやるべきことがたくさんあるだけでなく、当社のような真の周波数資産を持っていません。今年の終わりまでには、当社はミッドバンド層を100 MHz程度にすることを目標にしています」と氏。

「当社がリードしているのは単なる展開だけではなく、無線の強さという点からの展開、そうしたサイトのそうした無線機で何を実現しているかです。そのプロセスで競合他社よりもはるかに多くのスペクトラムを展開しているのです」 とRay氏は締めくくっている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/t-mobile-expects-5g-era-kick-off-in-2023/2021/05/