トランプ政権、中国最大手のチップメーカーを孤立させる

トランプ政権は任期の最後にあって、中国とのテクノロジー戦争で譲歩するつもりはないようだ。Wall Street Journal紙は12月18日、半導体製造会社の中芯国際集成電路製造有限公司(SMIC)が中国軍との関係を疑われている件をめぐって、米商務省が半導体製造関連の米国知的財産の輸出を禁止したと報じた。
Wilbur Ross商務長官はWall Street Journal紙に対し、「エンティティリスト(Entity List)を使った制限は、中国が同国最大手のSMIC社を通じて米国の技術を利用し、社会を揺るがす軍事活動を支えるための技術のレベルを進歩させることがないよう保証するために必要な措置です」とコメントしている。
全面禁止の数カ月前、米商務省は米国の設備、知的財産、設計ソフトウェアを使用している国外のチップメーカーに対し、Huawai社やSMIC社といった中国のチップメーカーに半導体を販売する場合にはライセンスの申請を義務付けると発表していた。
Wall Street Journal紙の報道によれば、SMIC社をはじめとする60社以上の中国企業がエンティティリストに加えられるという。エンティティリストとは、事実上罰点を与えるもので、リストにある企業・組織に対し認可を得ることなく米国の技術を輸出することを禁止するものだ。しかしSMIC社に関しては、商務省は同社が10ナノメートル以下のプロセスによるチップの生産に必要となる米国の技術を取得することを事実上禁止する条項を加えるという追加措置を取っている。
アメリカ・ファーストは今のところ続いている
中国企業による米国の半導体技術の利用を拒否しようというトランプ政権の試みは、輸出禁止だけにとどまらない。
2020年春、政権はIntel社(かつての米国最大のチップメーカー)と台湾積体電路製造(TSMC)に対し、米国内にチップ製造工場を建てるよう求め始めた。Intel社は関心を示しているものの、製造工場を米国に移すという約束はまだしていない。
一方、TSMC社は5月にトランプ政権に応えてアリゾナ州に小さな製造工場を建設する120億ドルの計画を発表した。工場ではTSMC社の5ナノメートル製造プロセスを使用して月産2万枚のシリコンウェーハを生産する予定で、1600人以上の従業員を雇用する。
Wall Street Journal紙の以前の報道によると、こうした取り組みは主に米国の台湾に対する依存への懸念から来ているという。台湾の自治権は同国に対する主権を主張する中国との間で数十年間続く領土問題に晒されている。
以来、ロビイスト団体である米国半導体工業会(SIA)は、国内でのチップ製造工場の建設を支援するための補助金、研究資金、製造業者の獲得を目指す州への支援金として、370億ドル(約3兆8000億円)の支援を求めている。

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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