VMware、Samsungを自社の5G Telco Cloud上で動作することを認証
Samsung がVMwareの「5G Telco Cloud」プラットフォームへの適合をさらに進めた。これによって VMware プラットフォームを使用する通信事業者は Samsung の 5G コンポーネントをより簡単に導入できるようになった。この認証は、Samsungが5Gコアの市場シェアを拡大するための継続的な取り組みを支え、VMwareの通信分野での取り組みをさらに強化するものである。
直近の進展となったのが、Samsungの5GコアをVMwareプラットフォーム上で動作させるための検証である。VMware製品と共にSamsungの5Gコア機能とそれに付随するネットワーク機能を展開し、ライフサイクル運用するためのテスト、認証、検証を行った。
検証した具体的な機能には、AMF(Access and Mobility Management Function)、SMF(Session Management Function)、UPF(User Plane Function)、NRF(Network Repository Function)、NSSF(Network Slice Selection Function)がある。
VMwareは2021年初頭に包括的なTelco Cloudプラットフォームを発表したが、それ自体はネットワーク事業者向けの技術スタックを再編成し、リパッケージして拡張したものだった。それ以来、VMwareは特にこのプラットフォームを更新し続けると共に、プライベート5Gやモバイル・エッジ・コンピューティングといった通信向け以外の5G市場にも手を広げている。
Samsungとの協業に関して見ていくと、VMwareは2020年後半に取り組みを開始した。Samsungが自社のコアネットワーク、エッジ製品、無線アクセス・ネットワーク(RAN)をVMwareのソリューションと統合し、一連の製品をVMwareのソフトウェアスタックおよび自動化サービスで実行するCNF、VNFとして動作するよう適合させ、クラウドネイティブアーキテクチャへの対応を進めている。
VMwareは今年、Samsungとの共同では初となる商用展開を発表した。米Dish Networkが現在進めている5Gネットワーク展開の一環として、Samsungの仮想化RAN(vRAN)とVMwareのTelco Cloud Platformを統合するもので、Dish Networkは24,000台のSamsung製オープンRAN対応無線機と、VMwareのプラットフォーム上で動作する5G vRANソフトウェアシステムを展開する計画である。
VMwareの5G市場における立ち位置
VMwareのTelco Cloud Platform上でのSamsungの検証は、ライバルの5G機器ベンダーであるNokiaやEricssonが達成したものと類似している。
このような認定取得への取り組みについては、昨年VMwareを市場リーダーの1社であると評価した米調査会社ABI Researchが触れている。同社のアナリストであるKangrui Ling氏は、VMwareのマルチベンダー認定プログラムを「多様で強固なもの」と評し、VMwareのプラットフォームが競合のRed Hatをわずかに上回り、市場でのリードを獲得する一因になったと述べている。
両社による競争は、Red HatがOpenStackとOpenShift 製品を中心に通信業界向けの取り組みを続けていることから、さらに激化することが予想される。その結果、Nokiaは最近、コンテナおよびクラウド・インフラストラクチャ事業のプライマリサポートと継続中の開発をRed Hatに委託することにした。これにはNokiaの5G、コア、オープンRan(無線アクセスネットワーク)、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)サービスのサポートも含まれる。Red Hatを重視する一方で、NokiaはVMware 5Gコアとの統合支援も継続する意向だ。
BroadcomによるVMwareの保留中の買収案件も、このライバル関係に影響を与える可能性がある。Broadcom の経営陣はVMware の継続的な取り組みをすべてサポートし続けるつもりだと繰り返し述べているが、納得していない人もいる。
Samsungの5G RANの勢い
VMwareの認証は、Samsungの市場での立ち位置をさらに強化するものでもある。米調査会社Dell’Oro Groupの最近の調査報告によると、SamsungはオープンRANとvRANの分野において最も大きなベンダーの1つである。
この勢いは、この夏の初め、英Vodafoneが2027年までにイギリス全土に2,500のディスアグリゲーション構成のセルサイトを展開するという構想のために、仮想化・オープンRAN機器を供給するベンダーとして正式に同社を起用したことで、より際立ったものとなった。この契約は、両社の広範囲にわたる協力関係を拡大するものであり、中国を拠点とするベンダーであるHuaweiの現在禁止されている機器を置き換えるというVodafoneの取り組みをさらに推進するものである。
「これはSamsung が、NokiaやEricsson のような企業を選ばず、新しいものを選ぶことが通信事業者にとって可能であり、問題ないことを証明したことになるでしょう」と Mobile Experts の創設者でチーフアナリストのJoe Madden氏はSDxCentalのインタビューで語っている。「2028年に5G-Advancedや6Gネットワーキングが始まったら、通信事業者は何をするべきなのかを考えるでしょう。SamsungはEricssonやHuaweiよりも仮想RANの経験が豊富な企業として注目され、私たちは彼らを選ぶことになるでしょう。これらのことが彼らを成功に導くのだと私は思います」
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。
SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
Twitter:@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。
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