農村地域への接続提供で最良のソリューションはWi-Fi=業界団体WBA
Wireless Broadband Alliance(WBA)は次世代Wi-Fiと5Gに注力している通信業界団体だが、農村地域の情報格差を解消する最も効果的な手段はWi-Fiだと考えている。
調査報告「Rural Wi-Fi Connectivity: Challenges, Use Cases and Case Studies」(地方のWi-Fiコネクティビティ:課題、活用事例、ケーススタディ)では、インターネットプロバイダーやセルラーサービスプロバイダー向けの導入シナリオを最適化するベストプラクティスを調査した。特に、新しいWi-Fi技術によって可能となった6 GHz帯への接続を最大限利用することを強調している。
「携帯電話事業者や通信事業者などのサービス事業者は、Wi-Fi技術を利用することで既存の事例や今後ありうる事例を含めたさまざまな活用例に対応することが可能です。自社のサービスを地方に拡大するうえで非常に汎用性と費用対効果の高い技術です」とリリース文には書かれている。
発表では主な活用例を2つ挙げており、1つは光回線事業者がWi-Fiを利用するというものだ。高額な増築を進める代わりにマイクロ波で地方にサービスを拡大するのだという。「Wi-Fi 6では、免許不要帯のうちマイクロ波で接続できる帯域幅が従来よりも広く、1 Gbpsに達することもあります」
2つ目は、携帯電話事業者が固定/モバイルブロードバンドサービスにWi-Fiを利用するという提案だ。基地局鉄塔で1平方キロメートル、4,000人をカバーする場合の平均的な導入費用は設備投資費と運用費用を合わせると最低でもWi-Fiの20倍に上るとした。
Wi-Fi導入であれば同じサービス指標を達成するのにかかる費用は2,500ドル(約34万円)で済む。ここには「Wi-Fi機器、外部アンテナ、ソーラーパネル、ソーラー充電コントローラー、バッテリー、屋外PoE、支柱・接地工事、ケーブル敷設、2年間のバックホール回線契約」が含まれるという。
WBAのティアゴ・ロドリゲス(Tiago Rodrigues)CEOはリリースの中で、「世界では10億人近い人々が接続環境が貧弱であるか、まったく無い農村地域に住んでいます。そうした人々に音声や動画、ブロードバンドサービスを届けるうえで、Wi-Fi技術は絶好の位置にあるのです。Wi-Fiはセルラーとは違い、ほぼすべてのスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、ストリーミングデバイスなどのデバイスに搭載されています」と述べている。
「このように普及しているということはWi-Fiが大量生産・低コスト構造であるということでもあり、これはデバイスやサービスを最大限に普及させられるように十分な低価格で提供するためには不可欠な要素です」
また、同報告では、接続が不十分な地域に対して光回線の最適な効果をもたらそうとする取り組みが行われていることや、MWCラスベガスで開催された情報格差に関する基調パネルディスカッションの内容を賞賛している。同パネルでは、情報格差解消のためには光回線が最良の技術ではあるが、あらゆる場合に最適なソリューションというわけではないということが強調された。
Tommy Clift is a Reporter at SDxCentral covering telecom technology and services, rural carriers, broadband access, and diversity and inclusion. He is a graduate from from Colorado University Denver with a degree in music business and a minor in film writing. Tommy’s writing background comes from working in diversity and inclusion, news and arts reporting, grant writing, scriptwriting, as well as artist-collective journalism and event curating. He can be reached via email at tclift@sdxcentral.com.
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