クラウドの未来はどのようなものか
【ネバダ州ラスベガス】クラウドの勢いが減速することはなさそうだが、クラウドで何ができのかについては現実的な見方を保つ必要がありそうだ。
米調査会社ガートナーの調査では、今日、クラウドは不可欠あるいは大きな影響を与えるものであるという考えに半数以上の企業が同意している。この数字は2027年までに90%を超えると見られる一方、40%がマルチクラウドに対して達成不可能な期待を寄せた取り組みをしてしまうことになるという。
ガートナー主催の「IT IOCS(インフラストラクチャ、オペレーション & クラウド戦略)コンファレンス」でアナリストのデイヴィッド・スミス(David Smith)氏が語ったところによると、マルチクラウドの採用プロセスには3段階あるという。必要に迫られて複数のクラウドを戦術的に利用する段階、マルチクラウド アーキテクチャを必然のものと考える段階、構造的なアプローチの下で複数のクラウド事業者を利用し、ポータビリティや動的プロビジョニングのほか、クラウドバーストや可用性を真に実現しようとする段階で、大きな問題になりがちなのはここだという。
「マルチクラウドに対して人々が抱いている期待のうち、ほとんどの部分は達成できないと思われます」と氏。可用性は低下するというガートナーの予測を引用した。「実際にはうまく行かないと気付くことになるでしょう。なぜなら、可用性やディザスタリカバリ、事業継続性などの高さを求めるのであれば、(単一ベンダーのエコシステム内で)そうした機能を実現する方がはるかに簡単だからです。複数のエコシステム間で行うのは非常に難しいことです」
スミス氏はこの点に関して、「マルチクラウド」「クラウドネイティブ」は最も乱用され、誤解されている用語だと言う。法人顧客から最もよく聞く話題でもある。ガートナーの予測では、2027年までに「顧客がクラウドネイティブと呼ぶものに対する要件のうち、70%はクラウドサービス事業者(CSP)を中心としたエコシステム(主にハイパースケーラー)から提供される」としている。「当社はそうしたCSP上で動くものを指して、(コンテナネイティブではなく)『CSPネイティブ』という用語を使っています」
パブリッククラウドサービス市場は1兆ドル規模に
スミス氏によると、ガートナーは2026年にはパブリッククラウドサービス市場が「1兆ドル(約132兆円)規模に急成長する」と予測しているという。また、クラウドサービスは「コア技術」「機能拡張」「価値強化」の各サービスに分かれていくとしている。
Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなどのハイパースケーラーが開発、影響力を持つコア技術サービスは機能拡張レイヤー、価値強化レイヤー全体を貫いて構築される部分。価値強化サービスはコア技術と機能強化レイヤーを活用し、ユーザーが直接利用するサービスを提供する部分だ。
たとえば、AWSが「もう少し機能拡張に軸足を移し、コア技術の事業から離れる選択をすることもあり得ます」と氏。「こうしたことはベンダー領域で注視しておきたいことの一つです」
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering data center technologies and business cases, environmental sustainability, and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
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