データセンターAIネットワーキングの主役はイーサネットか、それともInfiniBandか
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米調査会社Dell’Oro Group(デローログループ)の予測によると、AIワークロードを支えるバックエンドのネットワークインフラ構築によって、データセンタースイッチへの支出が50%拡大するという。しかし、間もなく100億ドル規模に達しようというこの市場では、AIのバックエンドを支えるネットワーク・ファブリックとしてInfiniBandとイーサネットのどちらが主流になるか結論が出ていない。
AIバックエンドネットワーク用スイッチへの支出は現在、データセンタースイッチ市場全体の15%未満を占めているにすぎない。しかしアナリストらは、2027年までに40%を占めるようになると予想している。
生成AIアプリケーションは、AI時代の中でも新たな時期の到来を告げるもので、「扱わなければならないパラメーターの多さは際立っています」とDell’Oro GroupのVP、Sameh Boujelbene(サメ・ブージェルベネ)氏は言う。
現在、一部の大規模なAIアプリケーションは数兆個のパラメーターを処理しているが、その数は毎年10倍に増加していくという。「こうした急激な成長によって、数千規模、さらには数十万規模の加速ノードの導入が必要になります。それらを接続して大規模クラスタを構築するには、AIバックエンドネットワークと呼ばれるデータセンター規模のファブリックが必要です。主に汎用サーバーの接続に使用される従来型のフロントエンドネットワークとは異なるものです」とBoujelbene氏は言う。
同社では、Google、Amazon Web Services、Microsoft、Meta、Alibaba、Tencent、ByteDance、Baiduなどの主要なクラウドサービスプロバイダーによって構築された、さまざまなAIバックエンドネットワークを分析評価した。
現在導入されているハイエンドの加速サーバーの数に基づいて、Microsoftが「圧倒的に大規模で、次にGoogle、そしてMetaという順番」だと判断したとBoujelbene氏はSDxCentralに語った。
イーサネットVS InfiniBand
InfiniBandとイーサネットについては、それぞれのメーカーがAIバックエンドネットワーク市場の優位性を競い、緊迫した競争が続いている。Dell’ Oro GroupはInfiniBandが現在のリードを維持すると予想しているが、イーサネットの採用も大幅に進むはずで、2027年までに市場シェア20%に達すると同氏は予想している。
市場予測としてはそのような予測がされている一方で、重要な問題が1つ残っている。「ジョブの処理時間を最小限に抑えながら、加速ノードの数を数十万、あるいは(可能性としては)数百万に拡張できる最適なファブリックは何か」というものだ。
おそらくこの議論は今後も激化するだろう。
イーサネットはInfiniBandより少なくとも1世代分は速度が速いと主張する人もいるかもしれないが、ネットワーク速度がすべてというわけではない。InfiniBandとイーサネットでは輻輳制御とアダプティブ・ルーティングの処理方法が異なり、こうした違いは企業が自社のニーズに最も適しているのはどちらのファブリックかを判断するのに検討すべきポイントだと同氏は言う。
「InfiniBandはAIバックエンドネットワークのパフォーマンスでイーサネットよりも優れていましたが、イーサネットでもその差を埋めるための大幅な改善が見られます」と同氏は言う。
この点については、市場が発展を続けていけば、クラウドサービスプロバイダーはInfiniBandを好み、大企業はイーサネットに傾いていくだろうと同社は予想している。
Will Ethernet or InfiniBand be the star of data center AI networking?
![Emma Chervek](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Emma-Chervek-02.jpg)
SDxCentral のレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。
エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
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