2023年、サービスメッシュは主流化するか
米Solo.ioのイディット・レヴィーン(Idit Levine)CEOに言わせれば、2023年はサービスメッシュが主流化する年になるそうだ。コンテナやマイクロサービスといったクラウドネイティブ技術の活用が増え続け、管理が複雑になっていることから、2023年にはサービスメッシュの可能性が開花するだろうと予測する。
最新の分散型アーキテクチャは複雑で、開発者や運用者にとって扱いの難しいものとなっている。サービスメッシュはこの問題の解消を目的としたインフラレイヤーだ。Solo.ioは最近、プラットフォーム製品「Gloo」を発表。APIゲートウェイ、サービスメッシュ、セキュリティ、クラウドネイティブネットワーキングを統合、1つのアプリケーションネットワーキングプラットフォームに収めたものとなっている。
「誰もが話題にしているものを実現しました」。レヴィーン氏は以前、米SDxCentralのインタビューで話している。「他社がこれをやろうと考えて、ゲートウェイとメッシュを用意したとしても、たいていはまったく別のものが出来上がるでしょう。土台となる構成要素が異なるかもしれませんし…(中略)…当社のやっていることの何が特殊なのかと申しますと…(中略)…当社で構築した製品には迅速な拡張が可能だという利点があります」
レヴィーン氏はメールでのインタビューに応じ、2023年のサービスメッシュに関する予想について掘り下げて語ってくれた。
SDxCentral:2023年のサービスメッシュについてどのような予測をされていますか。
レヴィーン氏: Kubernetesやマイクロサービスの導入は以前からトレンドとなっており、完了が近いものも出てきています。これに伴い、サービスメッシュは「クラウドネイティブ2.0」と呼ばれる次の段階に入っていくでしょう。企業様がKubernetesやマイクロサービスに慣れてくれば、開発チームにもっと自由が与えられるようになり、クラスタの数も増えていくことになります。そうしたスプロール化にうまく対処・管理する必要が出てくることで、多くの企業様が高度なサービスメッシュが持つ価値を理解されていくと考えられます。
SDxCentral:法人のお客様はサービスメッシュに何を求めていますか。また、2023年に最優先事項とするのは何だと思われますか。
レヴィーン氏:柔軟性が高いことと、導入方法の選択肢や導入が簡単になる選択肢が豊富であることを望まれています。「Istio Ambient Mesh」のような機能がお役に立てるでしょう。
また、クラウドネイティブの世界ではAPIゲートウェイとサービスメッシュの機能がかなり重複すると認識されており、この2つが極力サイロ化しないよう、うまく統合したいと望まれています。これはそもそもどのような統合アーキテクチャにすべきかを再検討することにもつながります――コントロールプレーン、データプレーン、アーキテクチャのモジュール性といったようなことです。
分散環境でオブザーバビリティ(可観測性)をどのように確保するのがベストなのかというのはレイヤー4でも7でもまだ発展途上の領域ですが、企業様のITチームにとっては2023年もオブザーバビリティが最優先事項となるでしょう。
SDxCentral:2023年、「Istio」のコミュニティはどのように発展すると予想されますか。
レヴィーン氏:コミュニティは成長を続け、今後もイノベーションが急速に進むでしょう。Istioは2017年に立ち上げられ、最近では導入の多さとプロジェクトの成熟度が評価され、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)のインキュベータープロジェクトとして承認されました。同プロジェクトには1,000社を超える企業様から6,000人以上のコントリビューターが参加しており、CNCFのガバナンスが加わることで、Istioを取り巻くアクティブかつ多様なコミュニティとスキルセットはさらに拡大の一途をたどることと思います。
オブザーバビリティ、管理、ゼロトラストセキュリティの3つは変わらず企業様の最優先事項であり、サービスメッシュの中核でもあります。Istioを活用すれば、コードに触れることなくこの3つをアプリケーションに透過的に追加することが可能です。
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering data center technologies and business cases, environmental sustainability, and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering data center technologies and business cases, environmental sustainability, and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
JOIN NEWSME ニュースレター購読
KCMEの革新的な技術情報を随時発信
5G・IoT・クラウド・セキュリティ・AIなどの注目領域のコンテンツをお届けします。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
RELATED ARTICLE 関連記事
-
クラウド Dan Meyer2024.09.11
VMwareのプライベートクラウドとAI=BroadcomのCEOが未来を語る
米BroadcomによるVMwareの統合が完了した…
-
5G Dan Meyer2024.09.09
5G時代へ=中小の通信事業者は備えができているのか
最新の5G機器や、vRAN/オープンRANのようなア…
-
エッジコンピューティング Dan Meyer2024.08.28
AWS、Microsoft、Googleがエッジも侵食するのか
データセンターやクラウド、通信の分野で、エッジという…
-
データセンター Dan Meyer2024.08.22
世界のデータセンター事情=ハイパースケーラーに容量が集中していくのはなぜか
Amazon Web Services(AWS)、M…
HOT TAG 注目タグ
RANKING 閲覧ランキング
-
セキュリティ Nancy Liu
デル、データ侵害を確認=ハッカーが4900万件の顧客データ販売を主張
-
IT Dan Meyer
BroadcomによるVMware製品の価格/ライセンスの変更がどうなったか
-
IT Dan Meyer
Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
-
IT Dan Meyer
BroadcomがVMwareパートナープログラムの詳細を発表
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2024年における10のネットワーキング技術予測
-
セキュリティ Tobias Mann
米CitrixはMcAfee社、FireEye社と同じ運命を辿るのか=買収合併の後に
-
セキュリティ Nancy Liu
SASE市場が急成長=第1四半期、首位はZscaler
-
スイッチング技術 Tobias Mann
コパッケージドオプティクスの実用化は何年も先=専門家談
-
IT Dan Meyer
米キーサイトがVIAVIのスパイレント買収に「待った」=15億ドルを提示
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2023年 ITネットワークのトレンドTOP10 現時点