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次世代都市インフラとして注目のスマートポール 様々な機器が設置できる多機能スマートポールの開発背景に迫る (後編)

次世代都市インフラとして注目のスマートポール 様々な機器が設置できる多機能スマートポールの開発背景に迫る (後編)

京セラみらいエンビジョンが、パートナー企業5社と共同開発した「みらいポール」は、耐久性に優れ、さまざまな機器を設置でき、見た目にもこだわり開発されたオリジナル多機能スマートポールです。前編では、大明通産様、日本コンクリート工業様、コスモシステム様にお話を伺いました。後編では引き続き大明通産様と、東神電気様、日東工業様より、みらいポール開発の背景を伺います。
(トップ写真:インタビューにご対応いただいた皆様)

前編はこちら

――多くの機器を設置することができるみらいポールは、デザインカバーによって景観にも配慮したものになっています。電柱などに取り付けられた機器類はむき出しになっていることが一般的ですが、カバーを取り付けたいと聞いた時はどのように感じましたか?

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東神電気株式会社 長濱 修司 様

東神電気 長濱様:最初に市丸様からお話をいただいた時は、弊社の金物の製造開発経験を生かすことができ、かつ、新しい領域の仕事であるため、ありがたいお話だと感じました。ただ、当初はまだデザインカバーがどのような物か見えていない状況でしたので、こちらから問い合わせをして、技術部門と打ち合わせながら金具と整合していきました。実際にひっかけて取り付けるタイプと正面からビスで留めるタイプのカバーを試作して、皆さんに見てもらいました。

大明通産 市丸様:カバーについては、取り付け時だけでなく、保守時のことも考えなければなりません。機器の保守をする時にはカバーを外すわけですが、何人もの人手をかけて外すのは良くない。そこで、ひっかけることでカバーを一時的に預けることができれば、手を空けながら取り付けられると考えました。さらに、カバーによって景観に配慮できるのでカバーを2段、3段と積み上げればより多くの機器を設置できます。

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大明通産株式会社 市丸 順平 様

長濱様:しかし、段数が増えるとカバーをひっかける隙間がなくなるため、カバーは正面から取り付ける形にしました。

当初検討していた、ひっかけて取り付けるタイプのデザインカバーのイメージ図
デザインカバーを積み上げられるように、正面から取り付けられるよう改良

市丸様:さらに、保守の度にカバー全体を開けるのは大変なので、カバーを4分割して円筒形を形作ることにしました。ただ、4分割にしたことで、精度には苦労しました。カバーとカバーを合わせた時に1~2mm合わないだけで施工ができなくなってしまう。調整できるようにビスを留める穴を大きくしましたが、大きすぎても施工ができなくなってしまいます。

長濱様:ここについては、ある程度柔軟に取り付けられるよう、今も継続的に改善をしています。

――東京メトロ赤坂見附駅前には、みらいポールとともに多機能ボックスも設置されています。オリジナルで製作されたそうですが、大変だったことはありますか?

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日東工業株式会社 岩戸 一将 様

日東工業 岩戸様:今回、まちのスマート化事業で我々の多機能ボックスを考えていただけると聞いて、大変ありがたいと感じました。日東工業では、屋外に設置するキャビネットも幅広く扱っていましたが、課題は丸み(アール)のある形状でした。街に親和するデザインを、とご要望いただきましたが、どのように形にしたらいいのかが課題でした。

市丸様:日東工業様は業界最大手であり、実は特殊な形状のオーダーは受け付けていただけません。しかし、京セラみらいエンビジョンさんからどうしてもと強い希望があり、何度も説得して引き受けていただけました。

岩戸様:ただ、このアール部分の製造が非常に難しかったのです。正面と側面のアール部分をつなげる角の部分をきれいに合わせこむための金型を成型するのに苦労しました。専用の金型が必要なので樹脂成型して表面を加工し、調整を重ねて板金で金型を作り上げました。

丸みを帯び、街に親和するデザインとなった多機能ボックス
何度も調整を繰り返して作り上げた角のパーツ

市丸様:この取り組みは非常に難しく大変でしたが、こうして無事に形にでき、日東工業様にとってもこの経験が強みに繋がるのではないかと思います。

――最後に、今後のみらいポールの取り組みについて、お考えをお聞かせください。

市丸様:今回、このような話をいただき、東京メトロ赤坂見附駅前にみらいポールの第一号を建てることができました。さらに、東京都港区での建設のお話もいただいています。みらいポールは公園や駅前などに建設され、そこを行き交う皆さんが体験できるものです。他の自治体にもぜひ導入していただきたいと思っています。
みらいポールの「みらい」という言葉の通り、今後の世の中に貢献するものだと思います。家族や友人に自信を持って語れる素晴らしい仕事です。まだまだ改善すべき点はありますが、今後も積極的に携わらせていただき、パートナー各社とチーム一丸となり取り組んで参ります。

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京セラみらいエンビジョンは「Data PlatformとNetwork Solutionを核に格差なく住み続けられるまちづくりに貢献するグローバルカンパニーを⽬指す」をビジョンに掲げ、住み続けられるまちづくりの課題である、「通信」「安全」「医療・介護」「教育」「交通・物流」「人口減少」「地域経済」の7分野の解決を目指しています。これからもパートナー企業とともに、「みらいポール」の提供を通じて、まちのスマート化に貢献していきます。

(終わり)

インタビューにご対応いただいた皆様のご紹介

(後列左から)
東神電気株式会社
営業本部 第三営業部(通信) 熱中症対策アドバイザー 藤田 奏 様
営業本部 第三営業部(通信) 次長 長濱 修司 様
コスモシステム株式会社
ビジネス事業本部 キャリア事業部 本社営業部 営業2グループ GL 柏木 雄太 様
システム事業本部 生産技術部 設計東京チーム 主任 堀口 雄央 様
大明通産株式会社
営業本部 副本部長 兼 第一営業部長 市丸 順平 様

(前列左から)
日東工業株式会社
IT営業部 東京IT第一営業所 主査 井上 高樹 様
IT営業部 東京IT第一営業所 担当課長 吉川 哲哉 様
中部営業部 名古屋営業所 キャビネットアドバイザー 主査 岩戸 一将 様
日本コンクリート工業株式会社
ポールソリューション部 移動体通信GL コンクリートポール診断士 安達 由起 様
ポールソリューション部 一般ポールグループ 鈴木 ひかり 様
大明通産株式会社
営業本部 第一営業部 課長代理 菊池 敏子 様

 

【関連リンク】
京セラみらいエンビジョン株式会社
「みらいポール」について

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