米AT&Tとベライゾン、ミッドバンド5Gサービスの遅れを解消

米当局は通信大手のAT&Tとベライゾンに対し、来月初旬以降のCバンド5Gサービス開始をまもなく許可する可能性がある。
両社は先月に直前でのサービス延期に合意していたが、それが事実上解消される形だ。
連邦航空局(FAA)は「5G拡大と航空輸送は共存できる」との見解を出した。ちょうど1カ月前、安全な着陸をするためには重要な計器である高度計との電波干渉が発生する可能性について警告した不吉な告示を出していた。
FAA、規制実施の可能性をパイロットに予告
考えられる対処はFAAが概説したようにフライトに新たな制限を設けることだろう。特に悪天候時のフライトに対して必要となる。FAAは干渉の可能性についての評価を実施中であり、パイロット向けに具体的な規制を伴う通報を出す予定だと述べている。
FAAは2通のAD(耐空性改善命令)を発行し、この問題に対する継続調査の枠組みを定めた。この中には悪天候に遭遇した際の空港やフライトに対する規制事項も数件含まれており、実施の可能性があるとしている。また、高度計の使用が必要となる計器着陸の禁止や、一部の空港での自動システムの使用禁止も提案されている。
「FAAは連邦通信委員会および無線通信企業各社と緊密に連携し、安全な5G拡大の実施に向けて前進しています」。FAAはあるステートメントで述べている。「私たちはこうした協力によって共通の目標を達成できると確信しています」
AT&Tとベライゾン、サービス開始を待ち望む
両社はミッドバンド5Gを展開するために、基盤となるCバンド周波数ライセンスの獲得に合わせて689億ドル(約7兆8300億円)を費やしている。
AT&TのCEO、John Stankey氏とベライゾンCEOのHans Vestberg氏は今月上旬、UBSグローバルTMTカンファレンスの期間に個別に行われたインタビューでこの問題に言及した。ただし、これらのインタビューはFAAが最新情報を発表する前日に行われたものとなっている。
ベライゾンCEO、「影響はない」と明言
Vestberg氏は、2022年3月までに46の市場にミッドバンド5Gを展開して1億人の人口をカバーする計画や、ベライゾンの事業には「影響はない」とした。「サービス開始日に影響はありません。カバーできる(潜在顧客の)人数にも影響はないでしょう」
同社はごく小規模な調整を行ったとし、通信塔は空港の近くにはほとんどないことを付け加えた。
「当社は周波数帯を保有していますから、いつでも望んだ時にサービスを開始できます。この件についてもう少し調査する時間を提供することはよい結果をもたらすだろうし、一種公正なことでもあると考えたのです」。Vestberg氏は語った。
AT&TのCEO「心配していない」
Stankey氏も1カ月の延期に対するAT&Tの立場と今後の見通しについて語り、意見を同じくしている。
「当社の準備は整っています。この事業については長いこと考えを重ねてきました。長いこと取り組んできました。この周波数帯でサービスを開始できることを強く願っています」。氏は言う。
「FAAの問題については心配していません」とStankey氏。米国にはこの問題に対して責任があり、十二分に保守的なスタンスをとっているのだと付け加えた。一方で、「Cバンドは世界の他の地域でも問題なく運用されており、毎日飛行機が飛んだり着陸したりしています」と指摘した。
同社は不採算のメディア事業を分離したのち、ミッドバンド5G展開計画の規模を実質2倍に拡大した。2023年末までに2億人をカバーするとしている。
「AT&Tは現在、Cバンドでサービスを開始できる正式なライセンスを持っています。当社はそのために多額の資金を支払いました」と氏は話している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/att-verizon-overcome-mid-band-5g-spectrum-delays/2021/12/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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