SK Telecom社で5Gエンタープライズ計画が開花
SK Telecom社は3月31日(米国時間)、モバイルエッジコンピューティング、エンタープライズサービス、韓国各地の5Gカバレッジの集中型クラスタに関する計画について、詳細を語った。同社が標準ベースのモバイル5Gネットワークを展開する世界初のモバイルオペレータとなってからほぼ1年が経ち、これまでにこうした5Gクラスタのうち70クラスタを人口密度の高い地域と商業地区に形成している。
同社によれば、拡張現実と仮想現実(VR)に特化したサービスを体験するために、これまでに100万人以上の顧客がこうした5Gカバレッジの集中エリアを訪れているという。30歳から49歳の顧客が同社の5G加入者基盤の半分以上(53%)を占め、4G LTEと比較して5Gユーザの中で大幅に高い割合を占めている。
SK Telecom社によると、同社の5G加入者全体では月ごとの平均で62,000テラバイトのデータを消費しており、4G LTEから5Gに切り替える加入者の平均月間データ使用量は2倍に増えているという。同社はまた、5Gの加入者はLTE顧客の7倍のVRサービス、3.6倍のビデオストリーミングサービス、2.7倍のゲームサービスを使用しているとも発表している。
こうしたサービスの成長と進歩がどうなるかは、かなりの程度クラウドやモバイルエッジコンピューティング分野でのSK Telecom社の取り組みにかかっている。同社は2019年5月、IoTの機能を拡張するべく、5G、人工知能、クラウドサービスで協業するためMicrosoft社と広範囲にわたる契約を結んでいる。
同社はまた、特殊なユースケース向けの低遅延サービスなどの5Gモバイルエッジコンピューティング機能を展開するため、Amazon Web Services(AWS)とも協力している。SK Telecom社は、この巨大クラウド企業が12月に発表したWavelengthサービスのオペレータパートナーの1社だ。 同サービスは、モバイルネットワークのエッジにAWSコンピューティングとストレージを組み込んだものとなっている。SK Telecom社は以前、Wavelengthサービスを今年展開する計画だと述べていた。
SK Telecom社は韓国各地の12か所に5Gモバイルエッジコンピューティングセンターを建設し、エンタープライズ市場への進出を促進する計画だ。同社はAWSとMicrosoft社のサポートを得て全国規模の5Gエッジクラウドサービスを立ち上げる準備が進んでいると語った。
同社は、半導体製造業者、水力・原子力電気事業者、政府機関と協力して、5Gと5Gによって可能になる新しい機能をそれらの環境で活用しようとしている、と話している。
SK Telecom社は、5Gカバレッジを全国85都市に拡大し、2020年末までに5Gクラスタの総数を240ヵ所にする計画だ。また、今年は少なくとも2,000棟の建物で屋内5Gカバレッジを提供する計画もある。
SK Telecom社のVPであるRyu Young-sang氏はコメントで、同社は5Gへ早期に進出したことで新しいビジネスチャンスを確保することができ、5Gは今後十年間、エンタープライズ分野の成長機会をもたらすものと目している、と述べている。
今年の初め、SK Telecom社は、5Gとモバイルエッジコンピューティングで学んだ知見をアジア太平洋地域全体で共有することを目的とした新しいタスクフォースを立ち上げ、複数のベンダーの機器を使用した商用ネットワーク上でスタンドアロン5Gデータセッションの開始に成功している。
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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