「5Gは難しいユースケース」=Bharti Airtel社CTO談

モバイルネットワーク事業者は5Gの展開を進める中で、ハイブリッドクラウドへの移行や自動化についてはすぐには利益の得られない旅路だと考えるべきだという。Red Hat社主催のイベント「Open5G」でBharti Airtel社CTOのRandeep Sekhon氏が語った。
自動化とハイブリッドクラウド・インフラはもはや選択肢の1つではなく、必要不可欠なものだと氏は言う。これを実現するうえでは忍耐と熟慮、コミットメントが必要だ。
「これは既製品を買えばいいというようなものではありません」。Sekhon氏は言う。「旅路のようなものです。修正を続け、さまざまなものを自動化し続けていくのです」
18カ国でサービスを提供し、インド第2位のモバイルネットワークを運営する世界的な通信事業者である同社は、Red Hat社と協同でハイブリッドクラウドアーキテクチャを構築、運用をシンプル化して「容量や常に使われている機能を減らすことができた」という。
Sekhon氏によると、同社ではサプライチェーンの不足から生じた問題を克服する方策もハイブリッドクラウドによって講じることができたという。5Gサービスの導入計画を進める中でネットワーク管理を自動化した。
Bharti Airtel社、自動化によって複雑さを抑える
氏によると、Bharti Airtel社が現在インドで運用しているすべてのタワーは4つの異なる周波数で4層の4G LTEを実行しており、5Gでさらに1層複雑さが加わることになるという。このシナリオでは自動化が不可欠な能力となる。展開やテストのスピードを早め、テストの精度を高め、エネルギー効率が向上するためだ、と氏は補足した。
また、自動化を促進する技術の現状について、Sekhon氏は次のように述べている。「AIはまだそこまでいっていません。コグニティブではなく、AIというよりも機械学習に近いと言えます」
「ネットワーク機器やデバイスから大量のデータが送られてくるので、それらを関連付けて顧客体験やサービス提供コストを改善する有意義な方法を見つけるというのが現在の機械学習の利用目的だと思います」。氏は説明する。
他の通信事業者に対しては、技術の進歩と無線業界全体が抱えるビジネス上の課題を混同しないよう呼びかけた。
現在、世界中のすべての通信事業者が直面している最大の課題は、「公平に言って、5Gには簡単に実現できるビジネスケースがないことです」と氏。設備投資だけでなく、(周波数や保守運用費など)多くの投資が必要になります」。「5Gは難しいユースケースです。あるいは導入初期のビジネスケースだと言えます」
5GのエンタープライズユースケースはeMBB(高速大容量)よりも開発に時間がかかるだろう、と氏は補足している。
「模倣者になってはいけない」
Sekhon氏によると、通信事業者がクラウドへの旅に乗り出す際には内省的になり、自社が克服すべき問題を特定する必要があるという。「模倣者になってはいけません」
問題を見極めた後は、大変な仕事が始まる。適切なパートナー企業と問題解決のための計画を立てることは簡単ではないかも知れないと氏は言う。混乱を避け、目標から外れないためにはベンダーも慎重に選択するべきだとした。
「忍耐強くあることです。この旅路には魔法の杖は存在しません。時間がかかります。最初の6ヵ月から9ヵ月は何のメリットも感じられないかもしれません」。Sekhon氏は言う。「ただ旅を続け、正しい測定基準を使い、前に特定した問題の正しい基線を保ち、指針が動いているかどうかを確認するのです」
この道のりは避けられない、と氏は結論付けている。また、通信事業者がこうした決断を遅らせれば遅らせるほど、成果を達成するに時間がかかることになると付け加えた。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/bharti-airtel-cto-5g-is-a-tough-use-case/2021/10/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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