Broadcom VMwareがGoogle Cloudと提携=「良い方向に変わる」
米Broadcomが買収したVMwareの資産を690億ドルという買収価格に見合う形に落とし込む活動を続けている。14日にはVMwareのソフトウェア提供形態、ライセンス形態の変更を発表。Google Cloudがハイパースケーラーパートナーの第1号となり、「Google Cloud VMware Engine」上で「VMware Cloud Foundation」(VCF)を提供する。
「変化するというのは決して簡単なことではありません」とはいえ、イノベーションを加速するためには必要なことだ――とVMwareのマーケティング担当バイスプレジデント、Prashanth Shenoy(プラシャント・シェノイ)氏が述べている。ソフトウェア業界の大半が既に行っているように、サブスクリプションベースのソフトウェア提供形態に移行することで、VCFはさらに柔軟な展開が可能になると説明した。
今後はVCFを購入すると「ライセンスポータビリティ」が提供される。オンプレミス環境への導入以外にも、対応するハイパースケールクラウド環境を同じサブスクリプションで利用することが可能だ。「移行の際にもライセンスのサブスクリプションをそのまま保持できます」
VCFの既存顧客は現在のサブスクリプションの残りをGoogle Cloud VMware Engineに移行・充当できるほか、VCFを完全に統合したGoogle Cloud VMware EngineをGoogle Cloudから直接購入することもできる。
「Google CloudはVMware Cloud Foundationのライセンスポータビリティに対応する計画を発表した最初のパブリッククラウドパートナーです。顧客のクラウド移行やDXをさらにシンプルに、費用対効果の高いものにしていく取り組みを続けています」。Google Cloudのバイスプレジデント、Mark Lohmeyer(マーク・ローマイヤ)氏が述べている。
両社の見通しでは、Google Cloud VMware EngineによるVCFライセンスポータビリティのサポートは2024年第2四半期までに一般提供を開始、他のクラウド事業者への拡大も見込んでいるという。
VCFが主役に
BroadcomはVMwareの組織変更も発表しており、変更後はVCF重視の姿勢をさらに強めた体制となる。
まず、VMware製品ポートフォリオが縮小される。「製品数を減らし、そこに研究開発投資のすべてを注ぎます」とShenoy氏。この変更は顧客にとって「2重の利益」になるという。
VMwareは最近、複数のスタンドアロン製品の提供終了を発表した。マルチクラウド管理プラットフォーム「VMware Aria」のSaaS版や、Sphere、VCF、vCenter、NSXシリーズの数十製品がその例だ。
「製品数を絞り、ハイエンド製品は以前よりも低価格で、それ以外の製品は以前よりも多くの価値を詰め込み、以前と同等以下の価格で提供していきます」
と氏。顧客やパートナー、VMwareにとってビジネス的に理にかなったことだと述べている。
また、各製品チームがVCFを中心とした1部門に統合。「1つのビジョンの下で、すべてのコア技術を統合した単一の製品」を構築していくという。
同部門にはVMwareプロフェッショナルサービスとグローバルサポートも所属、研究開発との結びつきを強める。
「これにより、1つの製品の構築、最大限の価値を提供するためのサービスとサポートを備えた製品構築に照準を絞ることが可能になります」
VMwareはこうした変化やポートフォリオのシンプル化に対して顧客から大きな懸念が寄せられていることは認識しており、移行をスムーズにするために営業チームやチャネルパートナーとの連携を強めているという。
「良い方向に変わるだけです」。とShenoy氏は述べている。
Broadcom VMware taps Google Cloud as hyperscale partner, says transition will ‘get better’
SDxCentralのレポーター。データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
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