英通信大手BTグループ、高高度飛行機の試験を実施=遠隔地向け5G接続提供へ

英通信大手BTグループ(BT Group)と英SPL(Stratospheric Platforms Limited)が英国内の遠隔地に対する4G LTE/5G接続の提供を目指し、HAPS(高高度基盤ステーション:ハップス、成層圏を飛行する基地局搭載の無人飛行機)を利用した新しいアンテナ技術を共同開発する。アダストラルパーク(サフォーク州)にあるBTの研究本部で試験を進めるとした。
本フェーズドアレイアンテナは半径140 km(15,000平方km)のビーム500本を個別に制御するもので、両社の触れ込みによると地上の鉄塔450基に相当する範囲をカバーするという。
BTグループの研究・ネットワーク戦略担当社長、ティム・ホイットリー(Tim Whitley)氏は米SDxCentralのメール取材に対し、今年から2024年にかけて試験・開発を行い、予想では2025年に飛行試験運用を開始、サービス開始は2026年になると説明した。
プロジェクトには多くの課題があるという。「アレイアンテナの運用に十分な機内電力の生成」「どのような風の条件でも機体の位置を保つこと」に加え、成層圏に入った後の電子機器の冷却、「多数の形状可変ビームを生成し、地上ネットワークのサービスレベルに匹敵する十分な容量確保を可能にする」モジュールアンテナの開発、機体がホールディングパターンで旋回している間に地上からのビームパターンの固定を維持することなどだ。
ホイットリー氏はリリースの中で、同プロジェクトによって同社の英国内の4G LTE/5Gカバレッジがさらに拡大、現在サービス提供のない農村部市場にも接続を提供できると述べている。農村部の情報格差を解決する手段としてHAPSはまだ発展途上だが、新しく出てきたものとしては他にも低軌道(LEO)衛星の使用などがある。
氏としては、HAPSは情報格差を解消する「解決策の一部」になるかもしれないが、「農村部に展開すべきさまざまな選択肢の1つと考えるべき」だと述べている。
「固定サービスも解決策の一部ですし、当社はサービスの行き届かない地域の人々のためのモバイル接続ソリューションを検討するのと並行してギガビット対応ネットワークの構築も進めています。とはいえ、「最も行き届いていない」(地域)に接続を提供できるまでにはまだギャップがあります。政府の支援が必要でしょう」と補足した。
両社は同ソリューションを地上波ネットワーク障害発生時のフォールバック、緊急時に利用できる通信、さまざまな産業や農業分野でのリモート監視に利用したい考えだ。
写真:HAPS機のイメージ。(出典:BTグループ)

Tommy Clift is a Reporter at SDxCentral covering telecom technology and services, rural carriers, broadband access, and diversity and inclusion. He is a graduate from from Colorado University Denver with a degree in music business and a minor in film writing. Tommy’s writing background comes from working in diversity and inclusion, news and arts reporting, grant writing, scriptwriting, as well as artist-collective journalism and event curating. He can be reached via email at tclift@sdxcentral.com.

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