シスコは2021年度第4四半期、ソフトウェア事業の売上が40億ドル（約4,400億円）を超え、総売上の約31％を占めた。

ソフトウェアの売上は前四半期比で7％、前年同期比で6％増加。ソフトウェアサブスクリプションは前年同期比で9％増加したという。

「第4四半期のソフトウェア部門は当社事業の31％を占めました。通期ではサービス部門と合わせますと53％を超えており、当社の継続的な事業変革が成功していることが明確に現れています」。CEOのChuck Robbins氏は決算説明会で述べている。

シスコによれば、ソフトウェア収入40億ドルのうち81％は経常収益だという。通期のソフトウェア売上は150億ドル（約1兆6,500億円）だった。

CFOのScott Herren氏によると、ソフトウェア、サービス、経常収益基盤の成長が基調にあることで、シスコでは売上予測をより明確に把握し、将来の成長機会に自信を持てているという。

第4四半期の売上は53%がソフトウェアとサービスによるもの

「この90日間で40億ドルのソフトウェア売上を上げた当社は、世界最大のソフトウェア企業の1つです」とHerren氏は言う。「ソフトウェアとサービス、経常収益基盤への移行をますます進めていくなかで、私たちはより明確な展望を持てるようになっています」

同四半期、シスコは総売上131億ドル（約1兆4,410億円）に対して純利益30億ドル（約3,300億円）を計上した。前年同期比で利益は14%増、売上は8%増だ。

製品の売上高は97億ドル（約1兆670億円）で総売上の74％を、サービスの売上高は34億ドル（約3,740億円）で総売上の26％を占めた。

インフラストラクチャ・プラットフォームの売上は前年同期比13％増の約75億5,000万ドル（約8,310億円）、アプリケーションの売上は1％減の13億4,000万ドル（約1,480億円）、セキュリティ関連の売上は1％増の8億2,300万ドル（約910億円）、サービスの売上は3％増の34億ドル（約3,740億円）となった。

Herren氏によると、クラウドセキュリティとゼロトラストのポートフォリオによる売上は20％以上の成長を達成し、定期サブスクリプションベースのセキュリティ関連売上は13%増加したという。

サプライチェーンの課題が続く

Robbins氏は業績について楽観的な見通しを持っている一方で、COVID-19とサプライチェーンの制約が引き続き同社や社会全体の重荷になっていると指摘した。

「COVIDの変異株が増加し、世界中のワクチンの展開ペースが同じではないなか、企業はレジリエンスと適応力を備えていなければなりません。私たちは、自分たちを取り巻く世界がどれほど素早く変化し得るかを目の当たりにしました」

「世界的な復興がいつどのような形で具体化するかは不明ですが、どのような場合であっても、私たちはより良い世の中を再構築するというビジョンを遂行していきます。デジタルで、持続可能で、インクルーシブで、安全性の高い世の中です」。「当社は社史の中でも極めて重要な瞬間を迎えていると考えます。従来型のオフィスを変革し、ハイブリッドワークの未来像を定めるという大きなチャンスです」

企業によるIT予算は増加し、景況感も上昇している。「しかしながら、COVID-19に絡んだ不確実性が続いていることを当社は認識しており、デルタ株とそれによる顧客支出への影響を注意深く見守っています」と氏は補足した。「ここ数カ月間は部品不足に直面していますが、今のところそれ以外に当社の事業への影響は見られません」

シスコはサプライチェーンの混乱とコストへの影響が2021年の残りの期間も継続するだろうとの見方を改めて示し、こうした問題は2022年前半まで続く可能性もあると付け加えた。

シスコは同四半期、研究開発費として17億ドル（約1,870億円）を投じ、スロバキアのSlido、米Sedona Systems、米Kenna Security、米Involvio、米Socio Labsの買収を完了している。

シスコの2021年度の売上は前年比1％増の498億ドル（約5兆4,780億円）で、内訳は製品売上が360億ドル（約3兆9,600億円）、サービス売上が138億ドル（約1兆5,180億円）だった。当四半期の売上は7.5％から9.5％の増加、2022年度通期では最大7％の成長を予測している。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/cisco-claims-spot-among-top-10-global-software-companies/2021/08/