エリクソン、買収したEricomの統合を急ぐ=クレイドルポイントにエッジセキュリティを追加
エリクソンが最近買収した米Ericomの統合を急いでいる。SSE(セキュリティ サービス エッジ)ソリューション「ZTEdge」の名称を「NetCloud Threat Defense Cloud」に変更、傘下のクレイドルポイントとブランド名を揃えるようだ。
エリクソンが四半期ごとに開催している説明会で、今回のブランド変更についてクレイドルポイントの製品・ソリューション マーケティング担当バイスプレジデント、Donna Johnson(ドナ・ジョンソン)氏が語った。説明によると、今回の統合でNetCloudのさまざまな製品が強化されるという。WAN接続を提供する「NetCloud Exchange」にSSE機能が加わるのもその一例だ。
クレイドルポイントは先月上旬にEricomの買収を発表した。クレイドルポイントは5G通信事業者のセルラーネットワークにSASEやゼロトラスト、クラウドセキュリティを組み込むサービスを提供しており、買収の目的は同サービスを強化することだ。
Johnson氏によると、統合の結果、この「SASE技術のフルスタック」サービスの中で「5Gの導入企業向けに最適化したSASEスタックを構築」できるようになるという。そうした企業の例としては、固定ロケーション、モバイルロケーション、IoT等を活用している企業、自社の特定拠点や自宅で働く従業員のほか、「各種のプライベート ネットワークやプライベート セルラーネットワーク、プライベートWi-Fiネットワークやパブリック ネットワークの間でローミングをしている契約業者」の接続環境を提供している企業などがある。
「ユーザーがこのように異なるタイプの接続サービスを行き来し、異なるタイプのキャリアを複数利用して接続したとしても、ユーザーを識別することが可能なソリューションを持つこと、アプリケーションの信頼性とセキュリティ両方に対して一貫したポリシーを提供できることが重要です」と氏は語った。
エリクソンの製品ポートフォリオは多岐にわたり、全体として見るとEricom製品の統合は(NetCloudと比べて)かなりゆっくりとしたペースで進められている。Johnson氏によれば、現在のところ「情報や専門知識の共有と技術面の調整」が行われているという。
「当社としては、セキュリティ分野には堅調な市場があると感じています。製品レベルで投資をしているのはそのためです」と氏。「こちらについても主に知識の共有をしているところです」
氏の補足によると、エリクソンが現在持っている各セキュリティ製品は異なる市場をターゲットとしたもので、「Ericsson Security Manager」(ESM)は通信サービスプロバイダー(CSP)と通信事業者向けのセキュリティ市場を、法人向け無線プラットフォームはエンタープライズ分野を対象としているという。
「現時点では統合的な製品は存在しません」と氏。「とはいえ、先ほども申し上げたように、そうなっているのは当社のセキュリティへのコミットメント、CSPも企業様もセキュリティを気にかけ、投資をされているという理解を製品に込めた結果なのです」
米調査会社ABIリサーチが最近、5Gネットワーク事業者の特定のニーズに対応できるクラウド セキュリティ プラットフォームの必要性を指摘している。
「従来型のサイバーセキュリティ市場には無数の既存ソリューションが存在し、それらを利用して5Gネットワークやデータ、デバイスを保護することは可能です。CSF(重要成功要因)となるのは、新しく現れてきた状況にそうしたソリューションを対応させ、5G標準が定めるアーキテクチャ要件で機能するようにすることです」。ABIリサーチの通信セキュリティ担当リサーチ ディレクター、Michela Menting(ミケーラ・メンティング)氏が述べている。
5Gセキュリティ ソフトウェア・サービス市場の規模は2027年には86億ドル(約1兆1,880億円)に達すると同社は予測している。
エリクソンによるクレイドルポイントへの投資
現在行われているEricom製品の統合以前にも、エリクソンはクレイドルポイントの事業強化に力を入れてきた。
エリクソンは米アイダホ州を本拠とするクレイドルポイントを11億ドル(約1,520億円)で買収、2020年後半に本買収を完了した。目的はエンタープライズ市場でのエリクソンの存在感を高めることだった。
その後、クレイドルポイントは新製品をいくつか発売、収益性の高いエンタープライズ市場で存在感を高めた。昨年後半に発売したネットワーク スライシング対応のSD-WAN製品、ZTNA(ゼロトラスト ネットワーク アクセス)製品もその例だ。
エリクソンのBorje Ekholm(ボリエ・エクホルム)CEOは投資家に対し、直近の決算説明会で、エンタープライズ分野の事業については未だ投資の段階だと話している。
クレイドルポイントが現在展開しているサブスクリプションモデルでは毎月繰延収益が発生するため、初めは利益に「マイナスの影響」があると説明。事業が成長していけば「会計上の理由から損失も発生し続ける」ものの、長期的に見ると「利益率プロファイルは非常に魅力的」だと語った。
エリクソンではプライベート無線事業も同様の投資期間を経たのち、現在は収益性に貢献する事業となっている。
「当社が提供している専用ネットワークに関しては、製造業で非常に興味深い活用事例が出始めています。とはいえ、まだかなり初期段階にある市場で、特に大きな市場というわけではないと申し上げておきます」。Ekholm氏は語った。
Ericsson accelerates Ericom edge security integration into Cradlepoint
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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