Ericsson社、5GオープンRANラボを開設
Ericsson社は、仮想化5G RAN技術を自社の領域を超えて発展させることを目的とした新しいコラボレーションラボを開設した。
エリクソンオープンラボはカナダのオタワにある同社の既存の研究開発拠点に併設されている。顧客企業やパートナー企業は、Ericsson社の世界各地の拠点を経由してこのラボに仮想的にアクセスすることができる。この拠点では、屋内試験用にミッドバンドの100 MHz、屋内/屋外用にミッドバンドの60MHzが利用できる。
このラボは、サービスプロバイダーが5Gの導入やユースケースのシナリオに取り組む際の支援を目的としており、特にオープンRAN、仮想化、管理、そうした展開のオーケストレーションに重点を置いている。Ericsson社はさらに、クラウドネイティブなインフラ技術、RANソフトウェア技術、市販のホワイトボックスサーバー、他社製のアクセラレーションハードウェアなどに関する取り組みが可能だと付け加えた。
すでに参加を表明しているキャリアパートナーには、KDDI、Ooredoo社、Orange社、SoftBank、Turkcell社などがある。ベンダーでは、Intel社、NVIDIA社、Red Hat社、Wind River社が参加している。
オープンラボが開設された背景には、Ericsson社が最近オープンRANに注力していることがある。同社は昨年末、2021年後半に市場投入する予定のソフトウェア「クラウドRAN」を発表した。CEOのBorjeEkholm氏はこのところオープンRANへの取り組みを強化している。
Ekholm氏は直近の年次報告書の中で、「当社はオープンRANにおける地位を引き続き強化していきますが、5Gは現在進行中であり、開発者や企業などの幅広いエコシステムに5Gへの迅速なアクセスを提供し、その可能性を最大限に享受してもらうことに注力しなければなりません」と述べている。
多様なオープンRAN市場
オープンRANに関する予測にはさまざまなものがあり、何をオープンRANとしてカウントし、何をカウントしないかを決めるのにもさまざまな要件や基準が用いられている。Dell’OroグループはオープンRANの2025年までの累積売上は50億ドル(約5540億円)を超えるだろうと述べており、米調査会社ABI Researchは最近、公共屋外ネットワーク向けのオープンRAN無線機に対する設備投資の総額が2026年には407億ドル(約4兆5090億円)に達するという予測を出している。
Ericsson社はいつも、通信市場で最大のRANベンダー・機器ベンダーとして、競合のNokia社やHuawei社と比較される。この3社はそれぞれ、オープンRAN計画を異なる速度で具体化している。
この中ではNokia社が最も先進的であると考えられており、今月初めにはオープンRANを「未来の無線ビジネスのあり方」と位置づけ、自社の進展と注力を大胆にアピールした。
Nokia社のモバイルネットワーク部門のTommi Uitto社長は、最近行われたアナリスト・投資家向けプレゼンテーションの中で、「私たちは、オープンRANはシェアを獲得するための方策と捉えています」と話した。「オープンRANに準拠しなければ、サプライヤーはシェアを失うリスクがあるでしょう」と述べ、サプライヤーベースをいずれ調整しなければならなくなるオペレータも出てくるはずだと付け加えた。「オープンRANに準拠しているかを選択基準にするのは、彼らがサプライヤーベースを変更し、サプライヤーの多様性を高めるのに良い方法です」
調査会社GlobalDataの主席アナリストであるEd Gubbins氏はSDxCentralに対し、オープンRANとvRANは「Nokia社の戦略における大きな注力分野」だが、まだ比較的初期の段階にあり、同社が関連エコシステムを推進・発展させるにはまだ為すべき仕事が多くあると話した。
「Nokia社はオープンRANに積極的に取り組んでおり、その点では多くの競合他社と一線を画しています」とGubbins氏は言う。Huawei社やZTE社といった中国ベンダーはオープンRANやvRANをサポートする計画を表明しておらず、「Ericssonj社はこの分野をNoki社ほど強くは推進していません。Noki社はこの点で差別化ができるでしょう」と氏は説明した。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/ericsson-opens-5g-open-ran-lab/2021/03/
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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