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文:Matt Kapko

エリクソン、サムスンと特許紛争で和解

エリクソン、サムスンと特許紛争で和解

エリクソンとサムスンは7日、セルラー技術に関連するグローバル特許ライセンスを巡る法的紛争を終結させることで合意した。

複数年に渡る紛争に終止符を打った今回の合意のわずか5カ月前、エリクソンはサムスンが 「公正、合理的かつ非差別的 (FRAND) 条件」 に基づいて特許ライセンスについて交渉するという契約上の約束に違反したとして特許訴訟を起こしていた。

エリクソンによると、今回の和解は複数の国で進行中の訴訟を対象としており、2021年1月1日以降に販売されたネットワークインフラや端末を対象とするクロスライセンス契約が締結されたという。それ以上の詳細は機密事項であり、公開しないとしている。

エリクソンのCIPO(最高知財責任者)、Christina Petersson氏は、「今回、サムスンとの間で相互に有益な契約を締結できたことを大変嬉しく思います。この重要な契約はエリクソンの特許ポートフォリオの価値を裏付けるものであり、FRAND原則に対する当社のコミットメントを重ねて示したものとなっています」とステートメントで述べている。

両社は2012年にも同様の特許紛争について数年にわたる法廷闘争の末に和解している。また、エリクソン最大のライバルであるノキアも先月サムスンと特許ライセンス契約を締結している。

いずれの契約でも、サムスンがネットワーク機器分野の大手競合である相手にロイヤルティを支払うことになっている。こうした合意は、サムスンが無線アクセスネットワーク(RAN)市場での地位を強化しようと熱心に取り組んでいるなかで結ばれた。

サムスンは昨年、従来強みを持っていた地域以外のモバイルネットワーク事業者と5G RANに関する大規模な契約をいくつか結んでいる。米通信事業者のベライゾンとの間では、2025年まで5G RAN機器を供給するという66.4億ドル(約7260億円)規模の契約を獲得した。この契約はベライゾンがノキアとの契約を打ち切り、RAN支出の約半分をサムスンに回したことで獲得したものだ。

また、先月には日本最大のモバイルネットワーク事業者、NTTドコモと5G RAN契約を結んでいる。同社はこの取引によって競争の激しい日本市場での地位を強化するものと広く捉えられている。

エリクソンは、サムスンとの特許ライセンス契約が当四半期および今後の知財ライセンス収入にプラスとなるとしている。同社は57,000 件を超える特許ポートフォリオを構築済みだとしており、研究開発活動を強化する傍ら、そこからより多くの価値を引き出したいと考えている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/ericsson-reaches-patent-settlement-with-samsung/2021/05/

Matt Kapko
Matt Kapko senior editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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