世界の通信事業者がCOVID-19で苦しむ

Analysys Mason社の新しいレポートによれば、世界の通信事業者の2020年第1四半期の業績を見ると、事業収益の流れにほころびが見られるという。
キャリア各社の財務実績への世界的なパンデミックの影響は、今四半期はより顕著になると思われる。ロックダウン規制は3ヶ月の間ずっとではなくとも、その大半の期間継続すると予想されるためだ。
第1四半期の業績報告は「COVID-19の危機の影響に関する警戒すべき兆候でいっぱいだった」とアナリスト達はレポートに書いている。
2019年の通信事業者各社はマイナスだった収益傾向を反転させ、多くが増益に戻り「そこそこ成功した2019年」であったが、続いて起こった今回の下落はひどく突然のことであり、懸念を抱かせるものだった。
同社の分析によると、事業収益の成長率は、2018年は世界平均で0.6%の減少であったのが、昨年は1.2%の増加に転じている。同レポートによれば、現在では通信事業者全体で、今年の事業収益は大幅に減少すると予想していることがわかった。
「ほとんどの通信事業者ではCOVID-19の危機の影響を受けたのは四半期の最後の2~3週間だけ」だったが、その損害は以前の利益では吸収できなかった、とAnalysys Mason社では分析している。「このような不確実性の中にあって、ほとんどの通信事業者は収益ガイダンスを取り下げたが、パンデミックの影響について大まかなガイドラインを提示しようとした通信事業者もある」
同社はまた、通信事業者の中で中小企業部門がパンデミックの影響を最も強く受ける可能性が高いと指摘している。「大企業は在宅勤務の準備に資金を費やしたが、中小企業はコストを削減した。あらゆる規模の企業がアップグレードを延期するか、ダウングレードを行っている」
パンデミックで通信事業者の5G計画は混乱
さらに、5Gの展開を急ぐ広範な動きがあるなかで世界的なパンデミックが襲ったことで、「2020年半ばの四半期は、ネットワーク展開の混乱と消費者・企業からの需要の弱体化」がいくらかあるだろうとAnalysys Mason社は予測している。
しかし、同社のアナリストは別のレポートで、「需要の減少はネットワークの混乱よりも長い期間続く可能性が高く、通信事業者は5G戦略の焦点を、企業主導の新たな収益源よりもコスト削減に置くようになるだろう」と書いている。
Analysys Mason社は「5Gへの設備投資は2021年に回復すると楽観視しているが、その規模は新しいビジネスの需要に左右されるだろう」と述べている。
同社によると、今年はネットワークの展開、周波数オークション、標準の規格化、サプライチェーンに関わる労働力など、すべてがマイナスの影響を受けるという。
「現在の不確実性により、また不確実性がさらに広がればなおのこと、一部の通信事業者は投資の優先順位やスケジュールの再考を迫られることになるだろう」とも述べている。ほとんどの通信事業者は来年以降も既存の設備投資ガイダンスを維持すると思われるが、いくらか優先順位の再評価が行われるだろう、特に欧州の通信事業者ではその可能性が高い、と同社は予測している。
「5G関連の設備投資については2020年はわずかに減少し、COVID-19以前の当社の予測よりも7%低くなると考えている。2020年第4四半期から2021年にかけて回復し始め、2021年には当社の前回予想を9.7%上回る結果になるだろう」と同社のアナリストは書いている。

SDxCentralのシニアエディター。5Gネットワークオペレータ、無線アクセスネットワークサプライヤ、通信事業者ソフトウェアベンダー、クラウドを担当している。彼はiPhoneの夜明け前からテクノロジーについて書いており、ソーシャルになる前からメディアをカバーしている。
連絡先: mkapko@sdxcentral.com または @mattkapko

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