モバイル機器のマルウェアの感染率、2020年のピーク時から半減
モバイルマルウェアの感染率は意外なことに、2020年初頭をピークに減少している。ノキアが発表した最新の脅威インテリジェンスレポートによると、モバイル機器全体のうち影響を受けたのは約0.12%だったという。
2020年3月のピーク時の感染率は0.23%で、そこから約半分に減ったことになる。モバイルアプリストアが以前よりも高度なツールを使用して悪意のある動作をするアプリを迅速に発見・削除しているためだという。
ノキアは「NetGuard Endpoint Security」を使用しているネットワーク上のデバイス2億台以上を調査し、結果を集計した。
ノキアはじっさい、XDR(Extended Detection and Response)、SOAR(Security Orchestration, Automation and Response)、EDR(Endpoint Detection and Response)、マネージドサービス、コンサルティングといったネットワークセキュリティの分野で自社の担う役割を拡大していく考えだ。
また、ネットワーク事業者や法人向けのセキュリティ機器を強化するに当たり、「Threat Intelligence Lab」から収集したデータや「Nokia Bell Labs」で開発したアルゴリズムを大いに活用しているとう。ノキアでセキュリティ担当VPを務めるMary O’Neill氏がSDxCentralに語った。
北米では固定ネットワークのマルウェア感染率も2021年を通して減少、2.5%まで低下したものの、2020年3月の1.1%という低い水準に比べると依然としてかなり高い数字だ。ノキアによると、感染率がこうも上昇した原因は、COVID-19の感染率や検査に関する情報、ワクチン関連の誤報、個人用保護具についてなど、情報提供を装ったマルウェア入りのアプリケーションだという。
ノキア、IoTボットネット、ランサムウェア、サプライチェーン攻撃の増加を強調
ここ1年はモバイル機器や固定ネットワークの感染率が低下した一方で、サプライチェーン攻撃やIoTボットネットの活動は増加したという。
ノキアによると、年初に発生したSolarWinds製品の侵害のようなサプライチェーン攻撃、5月に米Colonial Pipelineを襲ったようなランサムウェア攻撃、COVID-19関連のマルウェア攻撃が増加に拍車をかけているという。
一方、IoTデバイスの感染率はボットネット攻撃によって2019年から2020年にかけて100%も急増しており、厄介なことに依然として飛び抜けた数値となっている。各ボットネットのデバイス数は2021年2月時点で200万台を超えた。
「その後、増加率は鈍化したものの、感染デバイス全体の32%を今もIoTデバイスが占めています」。ノキアのレポートにはある。
毎年発見されるセキュリティ脆弱性の数は全体として増加傾向にあり、2010年には約5,000件だったものが、現在では約40,000件に増えているという。
ノキアはIoTデバイスのマルウェア、DDoS攻撃、モバイルエッジコンピューティングにおけるセキュリティ上の欠陥を特に懸念し、防止に注力しているという。セキュリティプロダクトマネージャーのKevin McNamee氏が以前、SDxCentralに語った。
「フットプリントや攻撃対象領域が拡大していることを考えると、セキュリティ運用チームで今何が起こっているのかを視覚化し、アクション、それも自動化したアクションを取ることができるようにする機能が今後非常に重要になってきます。モバイルエッジクラウドのような新しいものについてはなおさらです」。氏は言う。「ネットワークのエッジに存在するあらゆる種類のマルチベンダーアプリケーションについて、これが課題となるでしょう。管理下に置き、安全性を確保する必要があります」
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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