ノキアとデルが提携拡大=通信向け事業を強化
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ノキアとデル・テクノロジーズが長年の提携関係を拡大した。ノキア製品の推奨インフラをデルが、デル製品の推奨プライベート5Gプラットフォームをノキアが提供する。
今回の提携では、ノキア製の通信クラウド向けサーバー「AirFrame」の推奨プラットフォームをデルが提供する。両社は今後、AirFrameの既存顧客に対し、「PowerEdge」を始めとするデルのインフラ製品への移行を促す。PowerEdgeはコア、エッジ、無線アクセスネットワーク(RAN)のワークロードを実行するサーバーシリーズだ。
デルは通信分野への進出を進めており、提携で足場を固める。最近では米AT&Tとベライゾンが主導する、米政府の助成金を受けた新しいオープンRAN検証プロジェクトに参加している。
ノキアは以前から取り組んでいる事業の見直しを進める。「収益性を守るためのコスト基盤のリセット」の一環として、最大1万4,000人の人員削減計画も進めている。
昨夏にはコンテナ事業・クラウドインフラ事業の1次サポートと継続開発をレッドハットに移管した。レッドハットは「Nokia Container Services」(NCS)と「Nokia CloudBand Infrastructure Software」(CBIS)をコンテナプラットフォームの「OpenShift」および仮想マシン(VM)ベースのクラウド基盤「OpenStack」に統合している。
また、350名を超える従業員をレッドハットに移籍させ、同社をコアネットワークアプリケーションの開発、テスト、提供を支える「主要なクラウドインフラプラットフォーム」パートナーとした。
その後、トロントに本社を置く通信・メディア向けソフトウェアプロバイダーのルミネグループに約2億ドルでデバイス管理事業とサービス管理プラットフォーム事業を売却。従業員約500人をルミネに移籍させている。
プライベートワイヤレスでの提携
ノキアにとって明るい材料の1つがプライベートネットワーク事業だ。直近の決算説明会でPekka Lundmark(ペッカ・ルンドマルク)CEOが投資家に対し、「2桁成長が続いている」と話している。同事業は2023年末時点で710社を超える顧客を抱え、エンタープライズ事業の売上高の4分の1以上を占めている。
Nokia Digital Automation Cloud(NDAC)がエンタープライズエッジのユースケース向けにデルが推奨するワイヤレスプラットフォームになることから、この勢いはさらに加速しそうだ。NDACは昨年5月にデルが発売したプラットフォーム「Dell NativeEdge」と統合される。
Dell NativeEdgeはエッジコンピューティングプラットフォームであり、ソフトウェア、IoT、マルチクラウドツールに加え、エッジインフラのシンプル化、自動化、管理を行う運用技術に関する選択肢を顧客に提供することを目的としている。エンタープライズ企業向けに(デル製などの検証済み機器で動作する)一連のマネージドサービスを提供し、エッジデバイスの位置や接続のオン/オフを問わない一元管理を可能にする。
Dell OTELでの取り組み
両社は「Dell Open Telecom Ecosystem Lab」(Dell OTEL、オープン通信エコシステムラボ)を通じた、アプリケーションテストやライフサイクル管理に関する共同取り組みも行う。「Dell Telecom Infrastructure Block」上での「Nokia Cloud」ワークロード実行に関する認証作業を行うほか、OEMに関する協力を継続するとした。
Dell Telecom Infrastructure Blockプラットフォームは2022年後半に発売された。クラウドネイティブなサービスをパッケージ化したもので、特定の通信ワークロードやユースケースに対応した製品だ。コアネットワークからオープンRANの分散ユニット(DU)、中央ユニット(CU)までカバーしている。
Nokia, Dell extend partnership to boost their telecom efforts
![Dan Meyer](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Meyer-2.jpg)
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime
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