オラクルが「Network Analytics Suite」を発表した。ネットワーク事業者向けのクラウドネイティブな分析ソリューションのポートフォリオで、十分な情報に基づいた自動意思決定を支援、5Gコアネットワークのパフォーマンスを確保する。

同スイートはネットワーク機能のデータと機械学習、人工知能（AI）を組み合わせ、壊滅的なネットワーク機能障害の原因となる可能性があり、顧客サービスに影響しかねない異常を迅速に特定できるようにしている。

「信頼できるデータと充実した分析機能から得られる知見に基づいたイノベーションを推進することは、今日の市場における競争に欠かせないだけでなく、サービス事業者が高いコスト効率を達成し、サービス品質を改善し、新しい収益源を開拓することができるという点で非常に革新的なことでもあります」。Oracle Communications製品担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、アンドルー・モラフスキ氏が本件に関するプレスリリースで述べている。

5Gネットワークの最適化

同ソリューションは「Cloud Native Computing Foundation」（CNCF）の信条に基づき、3GPP標準をサポートしている。また、Kubernetesで管理するコンテナ化マイクロサービスアーキテクチャとなっており、5Gネットワーク全体の複数の事例を支える情報を保存・共有する重要なデータ分析リポジトリとして機能するという。

「本製品では、制御信号の測定値、ネットワーク機能の状態、輻輳、サービス品質などの履歴データ、リアルタイムデータを集約します。こうしたデータに機械学習、予測分析、AIを適用することで、5Gコアネットワークの機能状況がどうなっているかをよく把握し、取るべきアクションについてより良い判断を下すことが可能になります」。オラクルの広報担当者が米SDxCentralのメール取材で述べている。

通信事業者がこれを利用すれば、アプリケーションに自動化を組み込んでソフトウェアコンポーネントを監視・監査することができる。ネットワーク品質が低下する可能性のあるネットワーク機能障害などを回避するための異常検出に役立つ。また、新サービスを開発するサードパーティの開発者にデータや知見を共有し、ネットワークの収益化に利用することも可能だ。

また、標準のオープンインターフェイスを備え、プライベート環境／パブリック環境、マルチクラウド展開にも対応しているため、ネットワークの規模や使用しているコアネットワーク機能のエコシステムを問わずネットワーク機能の相互運用性を確保、アクセスが可能となる。とりわけ有用なのは、サービス事業者が全社的な分析戦略を模索している場合だ。同スイートは3GPPに準拠した事例にとどまらない実装が可能で、幅広い分析ソリューションと連携することができる。

オラクルの技術担当バイスプレジデント、アンドルー・デ・ラ・トーレ氏によると、本リリースによってサービス事業者が新しいアプリケーションの開発とアップグレードを迅速に行うことが可能になったという。「通信サービス事業者様が事業全体の分析を追求される中で必要となってくる部分です」。氏がメールに書いている。「データの収集・保存から管理まで、エンドツーエンドの完全な分析ライフサイクルが利用可能になったのです」

https://www.sdxcentral.com/articles/news/oracle-rolls-out-cloud-native-analytics-suite-for-5g/2022/10/