エッジコンピューティング
文:Tobias Mann

韓国キャリアのSK Telecom社、AWS Wavelengthを活用したエッジプラットフォームを発表

韓国キャリアのSK Telecom社、AWS Wavelengthを活用したエッジプラットフォームを発表

韓国キャリアのSK Telecom(SKT)社は、Amazon Web Services(AWS)を利用して低遅延のサービスを支える「5GX Edge」プラットフォームをローンチした。

同プラットフォームでは、SK Telecom社の5G MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)ネットワークのエッジ部分に「AWS Wavelength」を活用している。2019年12月に発表されたWavelengthでは、5Gネットワークのエッジにあるネットワーク事業者のデータセンター内に、AWSのコンピュートとストレージを組み込んだ「Wavelength Zones」と呼ばれるAWSインフラストラクチャをデプロイする。

Wavelengthsを利用すると、超低遅延を必要とするアプリケーションの一部を5Gネットワークのエッジにデプロイし、AWS内で動作するアプリケーションの残りの部分やクラウドサービスにそこから接続するということが可能となる。開発者たちがすでにAWSで利用しているのと同じAPI、ツール、機能が利用できる。

SKT社は、機械学習、IoT、ビデオゲーム、ストリーミングといった次世代5Gのユースケースを支えるのにこの新サービスが不可欠だと見ている。同社は「5GX Edge」プラットフォームを韓国の大田ですでに展開しており、2021年にはソウルを含む他の地域にも拡大する計画だ。

 

エッジのユースケース

同社が2月にAWS社と提携して以来、20社以上の顧客が同サービスを試用している。その1つにWoowa Brothers社がある。食事宅配アプリケーションを開発した企業で、5GX Edgeプラットフォームを利用して自律配送ロボットの信頼性を向上させた。

また、SKT社は韓国のShinsegae I&C社、同Maxst社とも契約を結び、ソウルの大型ショッピングモール向けにAR(拡張現実)ナビゲーション・ガイダンスシステムを構築しようとしている。リアルタイムの視線検出・脳波計測サービスを提供する同Looxid Labs社との契約では、釜山のシニアセンター向けサービスを開発する。

 

Wavelengthの採用

低遅延のエッジコンピューティングに取り組むためにAWS Wavelengthを採用したのはSK Telecom社が初めてではない。

米キャリアのVerizon社はこの新プログラムのローンチパートナーで、まずシカゴに同サービスをデプロイした。8月、サンフランシスコとボストンにも拡大する計画を発表している。

Verizon社によるローンチ時点での初期アプリケーションには、病院がクラウドベースの機械学習を利用して医用画像を解析し、癌性ポリープの有無を確認するための支援をする米Avesha社によるものなどがある。

SK Telecom Debuts AWS Wavelength-Backed Edge Platform

Tobias Mann
Tobias Mann Editor

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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