5G
文:Sean Michael Kerner

Tモバイルが法人向け5Gでシスコと提携

Tモバイルが法人向け5Gでシスコと提携

米通信大手Tモバイルが先月24日、新サービス「Connected Workplace」を発表した。エンタープライズ市場への進出を続ける。

Connected Workplaceは複数の拠点を持つ中堅企業向けのマネージドサービスだ。シスコと提携し、5Gマネージドサービスと「Cisco Meraki」のクラウド管理型ネットワーク機器・プラットフォームを併せて提供する。

中堅企業による複数拠点間のネットワークインフラ構築は複雑な作業になることがある。さまざまなベンダーのハードウェアやソフトウェア、インターネットサービスを個別に契約、各管理システムと組み合わせることが必要になる場合が多い。同サービスの目的は、全拠点、全店舗をカバーした十全かつ安全な接続環境を簡単に構築できるようにすることだ。こうしたものを単一のソリューションに統合、料金体系やサポートも1つにまとめられている。

「Connected Workplaceは、十全な接続環境を構成するのに欠かせないコンポーネントをすべて1つにまとめた法人向けサービスです。いろいろなサプライヤーから個別にすべてを調達する必要がなくなります」。Tモバイルの広報担当者がSDxCentralの取材に答えた。

サービス内容

Connected Workplaceでは、まずTモバイルの法人向け5Gインターネット無制限接続「Business Internet」がマネージドサービスと共に提供される。

Business InternetはFWA(固定無線アクセス)を利用したサービスだ。これがConnected Workplaceの他のソリューションの基盤となる。ミッドバンド(2.5GHz帯)を主に使用する「Ultra Capacity 5G」を含め、Tモバイルの5Gネットワークを利用可能だ。同社は少なくとも2022年からミッドバンド5Gで全米を広くカバー、そのパワーを強調している。

接続環境が整えば、Cisco Merakiでクラウド管理する構成機器を全て展開できる(スマートカメラ、IoTセンサー、ゲートウェイ、アクセスポイント、スイッチなど)。ファイアウォール製品ではクラウドベースのセキュリティが提供される。Cisco Merakiのクラウド管理機能とダッシュボードを利用できることも1つの目玉だ。

さらに、インストールと設定をTモバイルが代行し、マネージドサービスも提供される。顧客のITチームの負担を最小限に抑えられる。

これには、設計およびオンサイトでの機器インストール作業、24時間365日のプロアクティブなパフォーマンス監視および最適化、無制限の(同日内での)設定変更、24時間365日のサポート保証が含まれる。また、3年ごとのソフトウェアライセンス更新、ゲートウェイとアクセスポイントのアップグレードもTモバイル側で対応する。

シスコとの提携を強化

Cisco Merakiの製品がTモバイルのサービスで採用されるのは今回が初めてではない。

Tモバイルは全体としてもシスコのハードウェアへの依存を強めている。2023年1月にはシスコ製のクラウドネイティブな5Gコアゲートウェイを採用。同3月、Tモバイルの法人向けインターネット接続とCisco Merakiの5Gゲートウェイを提供する最初のサービスを発表した。なお、同機器はMeraki初のFWA向け5Gセルラーゲートウェイとなっている。

Connected Workplaceはこの時のサービスを拡張するものとなっている。Connected Workplaceの販売、管理、サポート、請求はTモバイルが行う。基本的な考え方は、完全なセキュリティを備え、管理を可視化したFWA接続のメリットを中堅企業ができるだけ簡単に享受できるようにするというものだ。

「今後、選べる機器やマネージドサービスの追加があるものとご期待ください。詳しくは数か月以内にお知らせする予定です」と広報担当者は述べている。

T-Mobile teams with Cisco to bring 5G connectivity to the enterprise

Sean Michael Kerner
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