VMware社、5GによってSD-WAN・SASEが変曲点を迎えると予想

5GはSD-WANに変革をもたらすだろうか。SASE(Secure Access Service Edge)についてはどうか?VMware社は間違いなくイエスだと考えている。
VMware社でサービスプロバイダ&エッジ担当部門長を務めるRamkumar Venketaramani氏と5GソリューションアーキテクトのAjitesh Gupta氏は、5Gが従来のMPLSネットワーク構築に終止符を打つだけでなく、新しい展開スキームやユースケースへの扉を開くことになるという主張とその根拠を今月上旬のブログ記事に書いている。
2人によると、SD-WANは複数のヘテロジニアスなアンダーレイネットワークのトラフィックをポリシーベースで動的にルーティングすることができるため、エンタープライズ企業にとっては簡単に変更のきかないMPLS WANアーキテクチャに代わる魅力的な選択肢となっている一方、通信サービスプロバイダ(CSP)にとっては一筋縄ではいかない問題になっているという。
「SD-WANはMPLSの代替にはなっておらず、成長にはこれまで大きな限界がありました」と2人。「5Gがそれを変えようとしているのです」
VMware社、5Gオーケストレーションをターゲットに
セルラーWANはVMware社にとってなんら新しいものではない。同社のSD-WANアプライアンスは以前から4G LTE接続をサポートしている。とはいえ、セルラーは限られた用途や、従来のトランスポート技術が利用できない、あるいは実用的でない環境で控えめに使われることが多かった。
例えば一時的な拠点や遠隔地のPOS端末など、ふつう帯域幅の需要が小さい環境だ。
「ほとんどの企業は、自社の拠点でメインのネットワーク接続に4Gを利用することは現実的ではないと考えてきました」。Venketaramani氏とGupta氏は書いている。
それに比べて5Gはまったくの別物で、ネットワークスライシングなどの技術により、大幅な広帯域化と制御性の向上が期待できる。
VMware社のSASE事業部で製品マーケティング担当シニアディレクターを務めるKarl Brown氏によると、同社ではサービスプロバイダやキャリアと協力し、オーバーレイだけでなくアンダーレイもオーケストレーションすることを目指しているという。
Brown氏によると、通信事業者の社内システムと統合すれば、VMware社の顧客がネットワークスライシングを利用してアンダーレイをオーケストレーションし、セルラーネットワーク上でMPLSのようなサービス品質と信頼性を確保することができるようになるという。
さらに、帯域幅やサービス品質を考慮した具体的なSLAを迅速に定義できるようになるという。
VMware社、MECにSD-WANを組み込む
また、VMware社では、5Gの登場はSD-WANのトポロジー構築の在り方を根本的に変革し、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)がもたらす豊富なエッジコンピュートリソースを活用してCPEの必要性をなくすチャンスだと考えている。
MECはコンピュートインフラをサービスプロバイダネットワークのエッジに移すもので、5Gが約束している超低遅延通信を実現するための重要な要素と考えられている。
VMware社は近い将来、多くのエンタープライズ企業で自社の敷地のすぐ外にあるMECノードを利用してSD-WANサービスを導入できるようになると考えている。
これによって導入作業は大幅にシンプル化し、SD-WANやSASEの導入障壁が低くなるという。
「これにより、CSP、SD-WANプロバイダ、エンタープライズ企業様など、あらゆる人にとって導入がシンプルなものになります」。Venketaramani氏とGupta氏は書いている。
メリットは導入や採用が簡単になることだけではない。クラウドネイティブな基盤の上に構築されたSD-WANプラットフォームではアップデートやパッチの頻度が高く、拡張性やセキュリティが向上するという利点もある。
「5GとSD-WANの組み合わせは、一方の進歩が他方の成長を促すという正のフィードバックループになっているのです」。2人は結論している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/vmware-eyes-5g-inflection-point-for-sd-wan-sase/2021/11/

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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