米VMware、エリクソンのクラウドネイティブ5Gコアを検証
エリクソンは自社のクラウドネイティブベースの5Gコアを米VMwareの「Telco Cloud Platform」上でCNF(ラウドネイティブネットワーク機能)として稼働させる検証を進めている。通信事業者向けに5Gネットワーク運用の完全仮想化を提供しようという取り組みがまた一歩前進する。
今回の検証の目的は、4G LTEおよび5Gネットワークの同時稼働を可能にするインフラプラットフォームおよびオーケストレーションの選択肢を3種類提供することだ。
1つ目は最もVMwareを中心としたものとなっている。「VMware Tanzu Standard」プラットフォーム上で「VMware TCA(Telco Cloud Automation)」およびCaaS(Container-as-a-Service)を実行し、これを通じてエリクソンのCNFを実行する。ネットワークオーケストレーション、ネットワーク機能のオンボーディング、展開、ライフサイクル管理、CaaS管理はVMware TCAで行う。
2つ目は「Ericsson Orchestrator」を利用する選択肢だ。VMwareでホストするCNF内で実行し、「VMware Telco Cloud」とCaaS自動化を利用する。これによってVMwareでTKG(Tanzu Kubernetes Grid)のワーカーノードを作成・管理し、エリクソンの5GコアCNFを実行することが可能になる。Ericsson Orchestratorの「Cloud Manager」および「Evolved VNF Manager」でCNFとクラスタのライフサイクル管理、テナント管理、容量管理を行う。
3つ目の選択肢は、エリクソンのオーケストレーションとCNFをVMwareのインフラ上で直接実行するものだ。Ericsson OrchestratorのCloud Managerが提供するNFVO(NFV Orchestrator)とVMware Telco Cloudを統合、エリクソンのオーケストレーションプラットフォームと管理プラットフォームを通じてTKGのワーカーノードを作成・管理する。
「エリクソンが持つ堅牢なネットワーク機能群をVMwareのインフラ上で実行できることが検証できれば、お客様にこれまでにないネットワーク管理能力と今後への自信を提供することができます」。VMwareでサービスプロバイダー製品管理およびパートナーエコシステム担当VPを務めるLakshmi Mandyam(ラクシュミ・マンデヤム)氏が自社ブログで説明している。「私たちは明確なガイドラインを共同開発しました。クラウドサービス事業者様がクラウドネイティブかつソフトウェアファーストなネットワークを採用される際には、ご利用いただければ迅速な最新化のお役に立つことでしょう」
エリクソンはこれまでにもクラウド事業者各社とさまざまな契約を結び、クラウドネイティブという目標を押し進めている。
昨年には米Google Cloudのプラットフォーム「Anthos for Telecom」に自社の5Gサービスをオンボーディングする契約を結んだ。これによってネットワーク事業者やエンタープライズ企業がネットワークのワークロードや各種機能をクラウドに格納し、ネットワークサービスの自動化・オーケストレーションを行い、エッジでコンピュートやストレージ、ネットワーク構築を組み合わせて利用することが可能となった。
VMwareの通信向け5Gの速度
VMwareは今回のエリクソンとの協業以前にも、他の大手通信機器プロバイダと同様のプロジェクトに取り組んでいる。
米調査会社ABI Researchは最近、VMwareの認定に関する取り組みを取り上げ、同社をマーケットリーダーであるとして高く評価した。ABI Researchのアナリスト、Kangrui Ling氏によると、VMwareのマルチベンダー認定プログラムは「多様かつ堅牢」であり、そのおかげもあってプラットフォーム全体での市場シェアで競合のRed Hatをわずかに上回ることができたという。
これに対し、エリクソンの評価はノキア、ZTE、英Canonical(カノニカル)、ファーウェイ、Google、米Wind River(ウィンドリバー)などと並んで「主流ベンダー」とされた。これらのベンダーはマルチベンダー対応やオーケストレーション、「イノベーションを目的とした通信グレードの各種機能、実装向けのクラウドネイティブかつモジュール型のハイブリッドクラウド/マルチクラウドの提供」といった比較的汎用的なプラットフォーム機能を提供している。
Ling氏はこうした主流ベンダーは市場で優れた貢献を果たしてきたと評価しつつも、意欲的な開発や、マーケットリーダーとなるために重要な基準の少なくともどれか1つで秀でていると示すことはできていないとした。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/vmware-validates-ericsson-cloud-native-5g-core/2022/04/
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on containers, lifecycle service orchestration, cloud automation, and DevOps. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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