米Xilinx社、富士通製5G O-RAN機器にチップアーキテクチャを提供
米半導体Xilinx社が富士通にチップアーキテクチャを提供する。米国での展開が予定されている富士通のオープンRAN(O-RAN)5G無線ユニットに搭載される。進化を続けるO-RAN分野にさらに踏み込む動きだ。
契約では、Xilinx社のUltraScale+アーキテクチャを富士通が5G O-RAN機器に利用することになっている。UltraScale+は16ナノメートル/20ナノメートルのアーキテクチャだ。富士通との取引対象には、O-RANエコシステムをターゲットにしたXilinx社のRFSoC (無線周波数 (RF) システムオンチップ (SoC)) 製品も含まれる。Xilinx社によると、富士通は将来の展開に向けて、コストと電力消費を削減するXilinx社のRFSoC技術にも注目していたという。
Xilinx社でEVP兼GMを務めるLiam Madden氏は、今回の契約で生まれる統合製品は「大きなグリーンフィールド5Gネットワークに展開される予定」だとコメントしている。このネットワークとは、米Dish Network社が長期に渡って計画してきたグリーンフィールドの5Gネットワーク展開のことだと予想される。
富士通は昨年、Dish Network社との間で、低・中帯域のO-RANアライアンス準拠の無線機を提供する「大口購入」契約を獲得している。その際、米調査会社Technology Business Research社の主席アナリスト、Chris Antlitz氏は富士通について、「優れた技術を持つ正当なRANベンダーだが、これまでは少数の通信事業者にのみ製品を提供している。特に日本のNTTドコモに対して数十年に渡りRAN機器を提供してきた」と述べている。
Xilinx社、成長するO-RAN市場の一角を担う
今回の取引がXilinx社にとって重要なのは、同社が成長するO-RAN市場でシェアを増やそうと模索しているからだ。同社は350億ドル(約3兆7000億円)で米半導体AMD社に買収される手続きの最中にある。この買収によって、5G、データセンター、自動車といった領域においてライバルの米Intel社や米Nvidia社に対するAMD社の存在感は高まると期待されている。
Xilinx社はまた、米Broadcom社、米Marvell社、新規参入の米Qualcomm社といったベンダーと並ぶ、成長するO-RAN分野で競争する1社であるとも見なされている。携帯電話チップ大手であるQualcomm社は昨年、5G O-RANチップセット事業への進出を始めたいと述べており、注目すべきかも知れない。Qualcomm社は同分野をターゲットにした3つのプラットフォームを用意し、2022年前半にベンダーへの出荷を開始する計画だという。
米調査会社Dell’Oroグループのレポートによると、O-RANハードウェアとソフトウェアの市場は2025年までの累積販売額で50億ドルを超え、RAN市場全体の10%を占めると予測されている。仮想化オープンRANのベースバンド機器や無線機器の今年の販売額は、ソフトウェアやファームウェアを含めてもRAN市場全体の1%に満たないとみられる。Dell’Oroグループはさまざまな要素から年間成長率を2桁と予測しているが、1つには政治的動機による貿易戦争がある。オープンRANは、広く中国製機器の代替手段として位置付けられているのだ。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/xilinx-to-power-fujitsu-5g-o-ran-gear/2021/02/
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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