フォーティネットのSD-WAN製品にデュアルモデム搭載セルラーゲートウェイが登場

FortiExtender-212FはSD-WANファイアウォール「FortiGate」シリーズと統合され、4G LTE接続では最大600 Mbpsのスループットを実現する。とはいえ、212Fの最大の特徴はデュアルモデムを搭載していることにある。同時に2つのキャリアのセルラーネットワークに接続することができ、冗長WANリンクを介したトラフィック制御が可能だ。
各モデムには2枚のSIMカードを装着できる。常に複数のキャリア(2社)を切り替えて使用することができるため、通信が途切れることなく安定したパフォーマンスが得られる。
212Fと並び、スループット要件がより緩やかなシンブランチ展開向けのFortiExtender-101Fも新たに登場した。単一の4G LTE接続で最大300 Mbpsのネットワーク速度を維持できる。
競合各社の無線WANプラットフォームとは異なり、フォーティネットでは意図的にモデムとルーティングファイアウォールアプライアンスを別々にし、柔軟な導入ができるようにした。
「SD-WANアプライアンスはキャビネットや地下室に保管されることが多く、セルラー受信が妨げられてモデムが使えなくなることがあります」。フォーティネットで製品担当VPを務めるNirav Shah氏とシニアプロダクトマーケティングマネージャーのPat Vitalone氏は共同のブログ記事に書いている。
外部アンテナやケーブルを追加することは可能だが、そうすると不必要な複雑さが生まれ、信号の劣化につながる可能性がある。フォーティネットでは2つを別々にすることでこうした頭痛の種を回避できているという。
フォーティネット、セルラー関連事業を拡大
フォーティネットは今春、セルラーゲートウェイおよびファイアウォール製品ライン「FortiExtender」を発表していた。
この中にはSub6帯の5Gネットワークを介した接続をサポートする同社最速の無線WANアプライアンス、「511F-5」がある。
「5Gが登場すれば、主たる接続手段の1つとして利用され始めるかもしれません。容量、スループット、速度に優れ、レイテンシは低いためです」。CMOのJohn Maddison氏は以前、SDxCentralのインタビューで語っている。
セルラーゲートウェイのほか、「FortiGate 7121F」では5Gパケットコアセキュリティにも手を広げている。氏の説明によると、5Gインフラのスループットの高さ、境界の大きさがより高性能なファイアウォールの開発を促したという。
7121Fはフォーティネット独自のカスタムSPU ASICを中心に構築されており、ファイアウォールスループットは最大約1.9 Tbps、500 Gbps以上の脅威保護とSSLインスペクションに対応し、常時10億ものセッションを処理することができる。
「ノキアやエリクソンといった企業では無線機を作り、無線接続を構築し、パケットコア機器を作っていますが、セキュリティファイアウォールという観点で見ると、こうしたものをこの規模で作っているのは当社だけです」とMaddison氏は豪語する。
5G WAN――主流派の間でも高まる関心
無線WANを提供するベンダーが最初に登場したのはフォーティネットよりずっと前のことだ。
この分野のパイオニアである米Cradlepointは、1年以上前に同社初のセルラー機能搭載SD-WANアプライアンスを発表している。これにより、従来よりも多くの顧客にとってセルラーを主要なWANリンクとして利用することが現実的な選択肢になるとした。
1月にはシスコもサービスルータ製品ライン「Catalyst」向けの5Gセルラーゲートウェイを発表している。
フォーティネット5G対応FortiExtenderと同様、シスコのゲートウェイにもCatalystルータやエッジアプライアンスと高スループット・低遅延の通信を行うためのSub6 5G無線機が搭載されている。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/fortinet-sd-wan-gains-dual-modem-cellular-gateways/2021/12/

Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com

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