コンポーザブルインフラベンダーのスタートアップ、米LiqidがシリーズCで1億ドルを調達した。累計調達総額は約1億6000万ドルに上る。

同ラウンドでは英Lightrockと米DH Capitalの関連会社が共同でリードインベスターを務め、米Panorama Point Partnersと同Iron Gate Capitalが参加した。調達した資金の用途としては、GTM戦略への投資、従業員の増員、欧州、中東、アフリカ、日本、アジア太平洋地域への市場拡大を計画している。

Liqid社のCEO兼共同創業者のSumit Puri氏はSDxCentralに対し、資金の約70％を事業拡大のための従業員雇用に充てると話した。今年は従業員を倍以上に増やしたが、今後数四半期で会社の規模をさらに倍に拡大する予定だという。

また、今年は顧客数も100社を超えた。パートナー企業や顧客企業には、米国国防総省、インテル、デル・テクノロジーズ、米Broadcom、同NVIDIAなどがある。

「この3年間の複合成長率は1,000%を超えています」とPuri氏。「今後2、3年は現在の超成長軌道が続くと見込んでいます」

こうした成長は顧客のコンポーザブルインフラプラットフォーム採用が進んだことによる、と氏は言う。コンポーザブルインフラでは、コンピュートリソース、ネットワーキングリソース、ストレージリソースを流動的にプールし、オンザフライで構成したり再構成したりすることができる。

主に人工知能、ハイパフォーマンスコンピューティング、エッジコンピューティングなどの分野で利用されている。

サプライチェーン問題とエネルギー危機の解決を目指す

パンデミック時にはサプライチェーンが不足するため、データセンターのインフラのアジリティと拡張性を高めることが平時以上に重要となる。

「現在のようなサプライチェーンの状況では稼働率を上げる方法を見つけなくてはならなくなっています。その際にディスアグリゲーション型でコンポーザブルかつ柔軟なアーキテクチャが役に立つのです」。氏は言う。

Liqid社の技術はディスアグリゲーション型であり、遠隔操作での拡張や再プログラムが可能だ。さらにコンポーザブルインフラでは物理リソースの利用効率が改善されており、設置面積を縮小、消費電力と冷却コストを削減できる。

このため、Liqid社はデータセンターが環境に与える影響についての意識が高まっていることにも注目している。Puri氏によると、世界のデータセンターの総数は2012年の50万カ所から今年は800万カ所以上にまで急増しており、現在の傾向が続けば2025年までには世界のエネルギーの20％をデータセンターが消費することになるという。

同プラットフォームは動的に再構成することが可能なため、通常は20％にとどまるハードウェアの使用率を最大80％まで引き上げることができる。「当社では、これによって環境に対して大きな影響力を持つことができると考えています」と氏は話している。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/liqid-scores-100m-pumps-composable-infrastructure-gains/2021/12/