米調査会社Dell'Oro Group（デローログループ）の調査によると、昨年第4四半期、世界のデータセンタースイッチ市場は米Arista Networks（アリスタネットワークス）と中国のStar-Net Ruijie Communication（スターネット瑞江通信）がけん引した。市場の2桁成長の9割はこの2社によるものだという。

マクロ経済環境では引き続き供給が限られ、物流コストは上昇しているものの、両社の売上増加によってスイッチ市場の第4四半期・通期の総売上高は記録的な水準に押し上げられた。Dell'Oro Groupのシニアリサーチディレクター、Sameh Boujelbene氏が述べている。

「2021年通期でさらに特筆すべきは、クラウドサービス事業者 、通信サービス事業者、大手法人といった市場の主要セグメントすべてが堅調な業績となり、いずれも2桁成長を見せ、過去最高の売上を上げていることです」

第4四半期の成長のうち、大半を獲得したベンダーの1社が米Arista（アリスタ）だ。クラウドサービスプロバイダはパンデミック下でいち早く回復し、他の市場セグメントより急速に成長したため、「Aristaは同セグメントで非常に優れた成果を上げています」とBoujelbene氏は質問に対して述べている。

Aristaはクラウド事業者のほか、大手法人顧客もますます増やした。加えて、「Aristaは部品不足への対応計画と適正な在庫水準の確保において有利なスタートを切ったようで、これが2021年前半は特に役立ったように見えます」と氏は説明している。

ハイパースケーラー以外にも400Gの導入が拡大

400 Gbpsのデータセンター向けイーサネットスイッチの出荷台数は昨年の2倍以上に増加、出荷ポート数は200万を超えた。市場全体の10%を占めたという。

Boujelbene氏によると、パンデミックによって高速スイッチの導入が加速したほか、デジタル変革の推進やクラウドの導入を可能にするためにネットワークをアップグレードする必要性が高まっていることが分かったという。

これによってハイパースケーラーだけでなく小規模なクラウドサービス事業者や大手法人にまで400 Gbpsスイッチの導入が広がったという。

また、「供給面では、ベンダー各社は在庫の積み上げ戦略において製品ライフサイクルの早期にある製品を優先し、陳腐化リスクを軽減しています」と説明した。