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文:Dan Meyer

シスコが経営陣を入れ替え=刺激策となるか

シスコが経営陣を入れ替え=刺激策となるか

ネットワーク大手の米シスコが5日、経営陣の異動を発表した。Chuck Robbins(チャック・ロビンス)CEOによれば、「新しい視点」を取り入れるためだという。厳しい四半期決算を受けたもので、同社は数千人規模の人員削減計画も発表している。

最も大きな変化はCSO(最高戦略責任者)にMark Patterson(マーク・パターソン)氏を任命したことだ。Patterson氏はシスコに23年間勤めているベテランで、直近ではRobbins氏を補佐するCoS(チーフオブスタッフ)として経営計画や全社的な取り組みを主導していた。

Robbins氏が執筆したブログ記事によれば、新たに企業戦略、コーポレートディベロップメント、インキュベーションの各チームを統合した戦略室をPatterson氏が指揮、「買収や戦略的提携、投資、共同開発、イノベーションを通じたシスコの成長戦略を推進」するという。「当社のポートフォリオや事業を改善するさまざまな機会を迅速に捉えることが可能になります。また、各チームを統合することで、漸進的なイノベーションと買収等による急速なイノベーション、成長するとともにシンプルさを保つという会社全体としての戦略を協調させやくなります

前任に当たる現CSOは長年シスコの経営幹部を務めてきたLiz Centoni(リズ・セントーニ)氏で、氏は現在、EVPとアプリケーション担当GMも兼任している。異動後はEVP兼CCXO(最高顧客体験責任者)となる。

Centoni氏の人事について、Robbins氏は次のように述べている。「技術への深い造詣、お客様のためにという熱意を活かし、当社のポートフォリオ全体にわたってお客様の成功と導入を加速させる役割を担っていただきます。新しく台頭してきた技術、特にAIですが、これを応用してお客様やパートナー企業により良いサービスを提供するとともに、新しい革新的なやり方で比類のない体験を提供してくれるでしょう」

また、当面の間、「Cisco FSO」や「Cisco AppDynamics」等のオブザーバビリティ関連事業については引き続きCentoni氏が管理するとした。280億ドルを投じた米Splunkの買収を控え、これらの事業では強化が進められている。

前任のAlistair Wildman(アラステア・ワイルドマン)氏はCX(カスタマーエクスペリエンス)チームを約1年間率いた人物で、Centoni氏のアドバイザーを短期間務めたのち、シスコを去ることになる。Wildman氏はシスコに6年近く在籍しており、以前にはOnAppやVMware、セールスフォース、マイクロソフトの経営幹部を務めている。

さらに、オペレーション担当EVPに新しくThimaya Subaiya(ティマヤ・スバイヤ)氏が就任する。Robbins氏によれば、Subaiya氏の新しい任務は「シスコ全体の組織的な能力を向上させ、発揮させること――イノベーションの導入とシンプル化、最適化を均衡させつつ、規模の拡大や成長を促進すること」だという。「氏には大規模な各チームの間で関係を構築する力、関係者に働きかけ、理解し、人を巻き込んで変化を起こしていく力があります。当社のオペレーションの効率や生産性、シンプルさを向上させてくれるでしょう」

Subaiya氏は昨年シスコのCTO(最高変革責任者)を務め、その前にはCXチームのトップを務めている。

Robbins氏は今回の人事について、シスコの経営陣に必要な変化をもたらすものだとアピールしている。

「この3人のリーダーが各々の新しい立場で新たな視点や革新的な考え方をもたらし、順調な部分を加速させるとともに、変化が必要なところを見いだして解決してくれると確信しています。シスコでは、変化を起こすのは今に始まったことではありません。ビジネスモデルを根本的に刷新し、時代遅れのレガシーを手放してきました。当社はお客様のニーズに対して最適なサービスを提供するためにどう進化すべきかを常に考えています」

業績見通しは低調

こうしたメッセージは直近の決算結果を受けて出されたものだ。内容としては四半期製品売上高が前年比9%減、中でもネットワーキング関連が12%減と大きく落ち込んでいる。

また、顧客セグメント別ではサービス事業者・クラウド事業者向けの売上高が40%減、企業向けが6%減、公共部門が5%減となり、地域別では南北アメリカで10%減、EMEAで8%減、アジア太平洋で27%減となっている。

Robbins氏は決算説明会で投資家に対し、顧客の先行き不透明感が続いているため、当面は慎重な経営を行うと語った。

「マクロ環境については、不透明感が強いことから各社が慎重な姿勢を強めており、取引に対しても厳しい精査が行われています」と氏。「こうした話はお客様から伺ったことで、当社としても予測や見通しについては慎重になっています」

米調査会社フォーチュラムグループのDaniel Newman(ダニエル・ニューマン)CEOは、シスコの決算結果についてのポッドキャストで次のように語っている。「シスコは偉大な企業でAIをたくさん持っていますが、迅速な実装や統合ができているかというと、まだそこまでには至っていません。また、株主との約束を確実に果たすにはコストを削減しなくてはなりません。こうした状況に陥るというのは本当に苦しいものです」

Cisco shuffles executive suite in search of spark

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime

Dan Meyer
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