シスコ、O-RAN Allianceの「騒動」にも動ぜず

シスコはオープンRANアーキテクチャを支持する多くの主要ベンダーと同様に、O-RAN Allianceで繰り広げられている内部政治や権力闘争にこだわらずに先に進みたいと考えている。
「今後も騒ぎはつきものでしょうが、これらの技術の原則は非常に有用なものであり続けてきました。ソフトウェア定義のものを持つことは、それが何であれ、ロックインされた機器を持つよりも常にベターなことだと言えます」。シスコのEVP、Jonathan Davidson氏は電話インタビューで語った。
O-RAN Allianceでの直近の騒動は比較的短期間で終わった。同団体の状況が、一部の中国ベンダーによる技術活動への参加を懸念するノキアの反発を招いたのだ。O-RAN Allianceがいくらかの手続きに未公開の変更を加えたあと、ノキアは技術活動を再開している。
米国政府のブラックリストに掲載されている中国企業が少なくとも2社、今もO-RAN Allianceのメンバーのままだ。
Davidson氏は同団体とオープンRANそのものが直面している地政学的課題・貿易上の課題についてはコメントを避けたが、シスコとしては引き続きオープンRANを強く支持しており、オープンRANコミュニティの前進を支援するためにできる限りのことをすると約束した。
シスコ、O-RAN Allianceの騒動に関わることを拒否
「私たちはこれまで通りの活動を続けます。オープンなRAN技術を導入するお客様が増えるにつれて、残りの問題は解決されていくでしょう」。Davidson氏は言う。
シスコは技術開発において政府が果たすべき役割があるという認識を持っており、オープンRANの初期段階からイノベーションを促進する手段として同技術を支援するよう世界中の政府に働きかけてきたという。
さらに、Davidson氏はO-RAN Allianceの会員規約に対するシスコの立場を尋ねる質問には回答を避けつつも、シスコは事業を展開するすべての国の政府規制に従っていると述べた。
「シスコは以前から、イノベーションは競争とオープンインターフェースを通じて促進されると考えてきました」と氏。「もしIPがクローズドなインフラであれば、通信の主流にはならなかったでしょう。これはシンプルに事実です。そのため私たちは、この原則を他のあらゆる分野にも適用していきたいと考えているのです」
シスコのDavidson氏、オープンRANに関して「これまでどおり強気」
このため、オープンRANにはオープンなインターフェースとして扱われるオープンインターフェースが必要だ、とDavidson氏は説明する。「この技術には今でも基本的な長所があります。オープン性を求める声は今も大きく、導入したい人は導入するでしょう。つまり、列に並んで彼らと協力して導入を行うか、その機会を逃すかのどちらかです」
「本当に白黒はっきりしていると思います。技術スタックに関しては、私はこれまでと同様に強気でいます」
通信事業者はそれぞれの資産で無理にでもオープンRANを実現することができるし、実際にそうしていると氏は言う。これをDavidson氏は「導入を望む有志の連合」と呼んでいる。こうしたレベルでの賛同と商用展開がそろえば、「技術は進んでいきます。また、導入を望む人々はこうした騒動によってなんら見解を変えていないと思います」と氏。
「ただ集まって標準を定義して、誰も展開費用を出さないとしても、問題ではありません」
標準や仕様を策定する団体は重要な役割を果たしているが、「私はいつも、コードを書く人々や大規模な展開を進んで行う人々に肩入れしてしまいます」とDavidson氏は言う。
仕様開発とコード作成のバランスを取ることで、技術者は地に足を付けていられるのだと氏は言う。
オープンRANをどの標準化団体で展開していくべきかについては、Davidson氏は「特に意見はありません」と話している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/cisco-unphased-by-o-ran-alliance-kerfuffles/2021/09/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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