クラウドRAN、2022年までに従来のRANを上回るペースで伸張
Nokia社が引用したRethink Research社のデータによると、C-RAN(クラウド無線アクセスネットワーク(cloud radio access network)、集中型無線アクセスネットワーク(centralized radio access network))の拠点は、今日ではすべてのネットワーク配備のうち半数も占めていないが、2022年までに過半数を占めることになるという。同アナリスト企業によれば、C-RAN拠点の展開は現在、複合年間成長率23%で伸びているという。
Nokia社によれば、5Gを支えるには既存のネットワークインフラストラクチャのほぼ完全なオーバーホールが必要であり、世界中のオペレータがこれに対応しているところだという。集中ベースバンドユニットとリモート無線ユニットネットワーク、これらのユニット間に接続層を提供するトランスポートネットワークまたはフロントホールで構成されるC-RANは、その取り組みの重要なコンポーネントだ。
同予測によれば、C-RANのこの伸張は、従来の分散型RAN拠点の劇的な減少と並行して進んでいるという。こうした従来型のRAN拠点の配備は2017年から減少しており、2025年までにはすべての配備の15%未満となる。
Nokia社の5G/4G光ネットワーキング・クラウドパケットのディレクターであるArnett Thomas氏によれば、クラウドデータセンターとネットワークの距離を近づけることで、通信事業者は複数のメリットを享受しようとしている。たとえば次のようなメリットがある――展開がより速くなることやセルの高密度化、ネットワークのパフォーマンスと信頼性の向上、長期運用コストの低下、新しいパートナーシップや収益源だ。
C-RANとデータセンターは、5Gテクノロジーとその展開を支えるためにマルチアクセスエッジコンピューティングに進化する必要がある、と氏はブログ投稿で説明している。「おそらく5Gの最も価値ある側面は、人からマシン、マシンからマシンへの、超高信頼・低レイテンシのネットワークを提供する能力でしょう」と氏は書いている。
「RAN機能とアプリケーションをエッジデータセンターなどのエンドユーザーの近くに配置することで、距離が短くなり、レイテンシが短縮されます」。自動運転車、ファクトリーオートメーション、リモート医療、ネットワークパフォーマンス分析の収集など、一部の5G対応サービスでは1ミリ秒という低レイテンシが必要になる。これは、4G LTEネットワークで提供されるレイテンシから約1,000%の削減に相当する。
この目標を達成するにはデータセンターがセルサイトの近くにある必要があり、このことがこれらの施設にエッジコンピューティングの経路としての新しい役割をもたらしている、とThomas氏は補足する。「データを中央のデータセンターやクラウドに送信して処理するのではなく、データの内容とエンドユーザーのサービスレベル要件に基づいて、ネットワークエッジでデータを分析、処理、保存するのです」と氏は書いている。
これにより、オペレータは従来の物理ネットワーク機能を仮想機能としてクラウドに進化させることもできる、とThomas氏は説明している。「(超高信頼・低レイテンシなどの)本格的な5Gレベルの拡張機能に対する需要によって、間違いなくエッジデータセンターの成長が推進されるでしょう。今後数年間で、5Gサービスの多彩な組み合わせを支えるべく、多くの地域で「ファーエッジ」「エッジ」「コア」のデータセンターが混在することになりそうです」
SDxCentralのシニアエディター。5Gネットワークオペレータ、無線アクセスネットワークサプライヤ、通信事業者ソフトウェアベンダー、クラウドを担当している。彼はiPhoneの夜明け前からテクノロジーについて書いており、ソーシャルになる前からメディアをカバーしている。
連絡先: mkapko@sdxcentral.com または @mattkapko
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