米Cloudflare、創業以来のカーボンフリー達成を目標に掲げる
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)プロバイダの米Cloudflareが環境の持続可能性に関する目標を更新した。2022年までにカーボンニュートラルを実現し、2025年までにこれまでのカーボンフットプリントを相殺する。併せてエネルギー効率を高めた改良型のサーバ、顧客の持続可能性目標達成を支援するさまざまなB2Bプログラムを発表した。
再生可能エネルギーに頼るという目標は、現実的ではあるが簡単ではない。CTOのJohn Graham-Cumming氏は、SDxCentralによるインタビューで、同社のネットワークは2500万のインターネット資産を支えており、その規模が持続可能な電源のみに頼るうえで障害となっていると語った。
「事業を100%再生可能エネルギーでまかなうべく取り組みを進めています。ですが、当社は世界の200都市でハードウェアを運用しており、すべてのデータセンターが再生可能電力を100%使用しているわけではありません」。難題ではあるが、氏はこの約束を予定通り果たせると考えている。
また、これまでのカーボンフットプリント(2010年の創業からの総排出量)を2025年までに相殺する計画だ。Graham-Cumming氏としては、この目標を「予定よりもかなり早く」達成したいと望んでいる。
過去の排出量を本当の意味で変えることはできないが、相殺することは可能だ。CEOのMatthew Prince氏はブログの中で、「私たちは、Cloudflareが創業以来、地球にとってネットポジティブ(差し引きプラス)な存在だったという状態にしたいのです」と書いている。
そのうえで同社が直面する最大の障害は、どれだけの炭素排出量を相殺する必要があるかを正確に判断する「計上作業」だ。「従業員が何回飛行機に乗ったかというリスト(あるいはその他の排出記録)は誰も持っていないので、過去にさかのぼって(排出量の)ありのままを査定しなければなりません」とGraham-Cumming氏。
さらに、エッジサーバにArm製CPUを組み込んで効率を向上させている。これらのエッジサーバはワットあたりのパフォーマンスが57%向上するようにつくられており、同社はこれによってサーバ市場でエネルギー効率への注目が高まることを期待している。
B2Bプログラムで持続可能性を推進
Cloudflare社は、米DuckDuckGo、露Yandex、米Wayback Machineなどのさまざまな検索エンジンと協力し、温室効果ガス(GHG)の意外な排出源である冗長なクロールをなくす取り組みをしている。
検索エンジンは常に最新の情報に更新されるようにできている。これを実現するために検索エンジンは更新された情報がないかWebサイトを繰り返しチェックするため、冗長なクロールが発生する。
「半分くらいは変更されていませんから、その分のチェックは無駄になります。エネルギーの無駄遣いです」とGraham-Cumming氏は言う。同社はこの非効率性を何とかしようと、冗長で過剰なクロールによる負荷を最小限に抑えるためのオープンスタンダードを導入した。
検索エンジンが繰り返し更新をチェックするのではなく、Cloudflare製品が更新情報を検索エンジンに通知する。これによって検索エンジンは冗長なクロールにエネルギーを使わずに済む。
また、Cloudflare社では「Green Compute」と呼ばれる機能を提供している。顧客が計算を実行するデータセンターを選び、再生可能エネルギーを100%使用できるようにする機能だ。
さらに、「Cloudflare Pages」で構築したWebサイトには、再生可能エネルギーを使用していることが「Green Web Foundation」によって証明済みであることを示すバッジを表示することができる。
気候変動の危機が続くなか、クラウドインフラ事業者が可能な限り持続可能な形で運営することが消費者や投資家による需要によって後押しされている。気候変動を緩和する方法として個人が行動することが正しいとされることが多いが、個人がインターネットのトラフィックを減らすことは広範な環境問題に対する現実的な解決策にはならないとGraham-Cumming氏は認めている。
「したがって、この変化を起こすのは、私たちのような大規模ネットワークの提供側にかかっています」とGraham-Cumming氏。「当社は良き市民でありたいと思っていますし、今では何かを行えば大きな違いを起こせる規模になりました」
https://www.sdxcentral.com/articles/news/cloudflare-sets-sights-on-carbon-free-legacy/2021/08/
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering environmental sustainability and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering environmental sustainability and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
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