D-Wave Quantum Inc.は、エンドユーザー、独立系ソフトウェアベンダー、システムインテグレーター、およびリセラーの間で量子最適化技術の採用が増加していると報告した。Qubits 2025ユーザーカンファレンスでは、量子最適化ソリューションの需要を反映させ、ハイブリッド量子ソルバーのアップデートとユースケースの拡大を発表した。

D-WaveのCEO、Alan Baratz博士は、企業が複雑な最適化問題に対処する際、従来のコンピューティングソリューションでは限界に直面しており、これが新たな市場カテゴリである量子最適化を促進していると述べている。Qubits 2025では、同社は技術の進展と顧客の成功を紹介した。

ハイブリッド量子非線形（NL）ソルバーは、連続変数をサポートするようになり、予算配分やリソース分配などの新しいユースケースに対応できるようになった。これまで制約を受けていた問題も、NLソルバーに提出できるようになった。

同社は、従来発表済みのアプリケーションに加えて、新しい量子最適化ユースケースのリストを拡大している。

これには、以下のような新しいユースケースが含まれる：
・オファー配分：企業は、予算制約と過去のデータを考慮してオファーを最適化し、受諾率を向上させることができる。
・ポートフォリオ最適化：金融機関は、規制遵守などの制約の中でリターンを最大化するための戦略を練ることができる。
・メンテナンス修理業務（MRO）最適化： MROロジスティクスにおいて量子最適化の利点が探求されており、メンテナンスや修理に伴う時間とコストの削減が期待されている。

BBVAの量子担当責任者であるEscalático Sánchez Martínez氏は、量子最適化と機械学習を組み合わせることで、変動するマクロ経済情勢下でポートフォリオ管理が改善することを言及した。

D-Waveの量子最適化技術の採用は、さまざまなセクターで引き続き拡大しており、ユーザーはQubits 2025でその経験を共有した。Davidson Technologiesや株式会社NTTドコモなどの企業がD-Waveの技術を使用する様子を詳述する。

NTTは、モバイルネットワーク最適化のためのハイブリッド量子ソリューションについて議論し、基地局での混雑を減少させたことについて報告した。岡川 隆俊氏は、NTTドコモがD-Waveのハイブリッド技術を通じて達成した運用改善とネットワーク効率について強調した。

また、Ford Otosanは、生産プロセスのためのハイブリッド量子アプリケーションを導入し、Ford Transitラインの運営を効率化すると発表した。

D-Waveの量子最適化サービスの詳細については、同社ウェブサイトにて閲覧できる。

D-Wave highlights quantum optimization customer growth and introduces expanded offering to accelerate adoption and deployment