Dell Technologies社は、クラウド統合プラットフォーム事業「Boomi」をプライベートエクイティファンドの米Francisco Partners社、同TPG社に40億ドル（約4380億円）で売却することで合意したと発表した。

2010年にDell社が買収したBoomiは、オンプレミスのデータセンターやクラウド、デバイス間で、データやアプリケーションを接続、転送できるクラウドベースのプラットフォームを開発した。世界中に15,000社以上の顧客を抱えている。

Dell Technologies社の副会長兼COO、Jeff Clarke氏は、「今回提案された取引はBoomiを次の成長フェーズに向かわせるものであり、両社にとって、また両社共通の顧客やパートナー企業にとって正しい方向性のものです」と述べている。「当社について言えば、私たちは中核となるインフラ事業・PC事業を最新のものに更新し続け、ハイブリッドクラウド、プライベートクラウド、エッジ、通信分野、Project APEXなどの優先分野で事業を拡大していくことによって成長を促進することに注力しています」

APEXとは、アズ・ア・サービスやクラウド分野でのDell社のアンブレラ戦略（全体としての戦略的目標、戦略的方向性）だ。昨年の「Dell Technologies World」イベントでCEOのMichael Dell氏が発表した。

今回の売却決定からまだ1カ月前にもならない最近のことだが、Dell社とVMware社はDell社が保有するVMware社の株式81%をスピンオフする決定を発表している。VMware社は契約条項に基づき、3月16日時点の発行済株式数を基に全株主に対し1株あたり27.43ドルから28.62ドルの範囲で合計115億ドルから120億ドル（約1兆2470億円から1兆3010億円）の現金配当を支払う予定だ。Dell Technologies社も93億ドルから97億ドル（約1兆80億円から1兆520億円）の配当金を受け取るが、同社はこれを債務の返済に充てるという。

Dellは5月第2週、仮想イベントとしてではあるが、年次イベント「Dell Technologies World」を開催する予定だ（訳注：原文記事公開は5月3日）。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/dell-sells-boomi-cloud-biz-for-4b/2021/05/