Dell Technologies社、エッジコンピューティングの取り組みを拡大
Dell Technologies社は4日、「Dell EMC Streaming Data Platform(SDP)」のアップグレードと、製造環境におけるエッジコンピューティングの改善を目的としたリファレンスアーキテクチャを発表した。
Dell Technologies社でクラウド・エッジマーケティング担当VPを務めるVarun Chhabra氏は、「私たちは、エッジが世界中の企業・組織にとってデジタル改革の次のフロンティアであると確信しています」と話す。「リソースはますますエッジに移行されていっていますし、業種を問わず、お客様との会話ではいつもこのことを感じ取っています」
氏の説明によると、Dell EMC SDPの最新バージョンにはエッジデバイスで生成されたデータの保存・処理を支援する機能があり、リアルタイム分析も追加されたという。「エッジで生成されるデータは従来の企業データとは大きく異なる特性を持っています。このため、企業がそうしたデータを管理したり処理したりするためには、新しいタイプのソリューションが必要となります」
Chhabra氏によると、同プラットフォームはデータソースや型を問わずあらゆる種類のデータを取り込んで統一プラットフォームに変換、迅速に分析結果を提供することができ、これによって顧客企業はエッジ環境での変化にリアルタイムで対応することができるという。
「SDPは、今後エッジインフラを伴うことになると思われる大規模なスケールの展開に対応できるように作られています」と氏は言う。これによってアプリケーションが複数の場所からデータを書き込むことへの懸念も取り除かれると付け加えた。
また、Dell社はChhabra氏が製造業向けに特化した同社初の製品だと呼ぶ製品も発表した。製造業はエッジ領域への投資額が最も大きい業界の1つだ。この「Dell Technologies Manufacturing Architecturing」はソフトウェアメーカーの米PTCと共同で作られたもので、製造業でのエッジ展開を容易にすることを目的としている。
両社は「アプリケーションの統合とリアルタイムのエッジ分析を通じて」これを実現しようとしており、これらの機能はすべて、やはり4日にクラウド型のITサービスへのシフトの一環として発表された「Dell Apex Private Cloud」上に構築されている。
Dell社、各業界向けエッジプラットフォームを構想
「アプリケーションに至るまでのインフラの運用・管理プロセスが大幅に簡略化されます」とChhabra氏は言う。また、Dell社は業界特化型のエッジプラットフォームの展開に向けてパートナー企業のエコシステムを拡大する意向だと付け加えた。
「伝統的な産業と定義したくなる業界であっても、エッジ技術を使って変革を進めている業界の例は無数にあります」と氏。
顕著な例としてDell Technologies社が挙げたのは、Dell社と提携し、エッジで動作する人工知能(AI)を使って鉄道車両の検査業務を改善した米Duos Technologiesの事例だ。「列車の中には1マイル(約1609メートル)ほどの長さで、種類の異なる120台の車両を連ねたものもあります」とChhabra氏。また、専門家による手動の検査プロセスでは1車両あたり最大8分かかることがあるという。
両社によると、Duos Technologies社はDell社のエッジにおけるインフラとサービスを利用してコンピュータビジョンとAIを活用したプログラムを開発し、鉄道車両の検査に必要な時間を大幅に短縮したという。
「以前は16時間かかっていたものが、今では8分で済むようになりました。生産性が大幅に向上し、検査精度も向上しています。これには非常に高度なエッジインフラが必要でした」とChhabra氏。カメラが生成するデータは1日当たり最大1.3テラバイトという膨大な量で、これをリアルタイムで処理する必要があるという。
「このように、エッジで生成された分析結果やデータによって産業が変革されていっている事例は、さまざまな分野で無数にあります」と氏は話している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/dell-technologies-broadens-edge-computing-effort/2021/05/
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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