シスコとNTTリミテッド、マネージドサービス30年の節目を祝う=ネットワークからセキュリティまで

シスコと最近NTT DATA, Inc.の傘下に入ったNTT Ltd.(以下、NTTリミテッド)が協業30周年を記念して、両社の歩みを紹介している。フォーチュン500企業の65%を含む約11,000社の顧客に対し、ネットワーク、セキュリティ、ハイブリッドクラウド、データセンター、無線LANなどのマネージドサービスを提供してきた。
小規模な組織向けの無線アクセスポイントやIoTデバイスを使った支店ネットワークの構築から、プライベート5Gを利用した大企業のグローバルネットワークまで、50か国、14,000人を超える技術者が関わり、幅広いサービスを提供している。NTTリミテッドが紹介した。
「私たちはSDI(Software-Defined Infrastructure)サービスを手始めに、11のポートフォリオを持つマネージドサービスでシスコのソフトウェアを利用できるようにしました」。CDO(最高デジタル責任者)、Dilip Kumar(ディリップ・クマール)氏がSDxCentralの取材で語った。同社はこれにより、世界で4社しかない、11以上の「Cisco Powered Servicesスペシャライゼーション」を取得しているシスコパートナーとなっている。
NTTリミテッドでは180を超えるシスコのAPIを自社のSDIプラットフォームに統合している。こうしたAPIはネットワークとセキュリティを含むユーザーのインフラにテレメトリ機能を提供、マネージドサービスを提供する同社がソフトウェアライセンスやハードウェアの使用状況、セキュリティの脆弱性、設定などのメトリクスを収集することが可能になる。
シスコでグローバルおよび戦略的パートナービジネスを統括するTony Hopson(トニー・ホプソン)氏によれば、シスコは顧客により良い体験を提供するため、こうしたAPIの強化に努めているという。
Kumar氏によると、両社はAPI統合によって、協業の3つの基盤の1つである、統一の、AIを活用した、クラウドベースでの導入の仕組みを提供できるようになったという。他の2つはクラウド移行サービスと、明確な成果指標を設定した技術変革のためのライフサイクル管理だ。
「ビジネスモデルとしては、全体がテクノロジーとサービスを中心とし、顧客のテクノロジー導入、設定、サポート、運用を支援するものでした。25年か30年にわたって続いてきたモデルです」と氏。
ここ3、4年は、NTTリミテッドのマネージドサービスを利用して顧客のシステムにシスコのソフトウェアを追加するなど、よりソフトウェアに重点を置いたビジネスモデルへと転換してきているという。
両社のサービスは、ハイネケン、ロイヤル・カリビアン・グループ、サンタクララ郡、Compagnie Intercommunale Liégeoise des Eaux(CILE)等の顧客が利用している。
マネージドセキュリティ、SD-WAN、SASEの提供
ソフトウェアへのシフトに続いて、NTTリミテッドは、マネージドセキュリティ、SD-WAN、SASEでもシスコとの協業を選んでいる。
シスコのセキュリティサービスをベースとした、ホスト型およびマネージド型のセキュリティサービスを、マルチテナント、サブスクリプションベースで提供。特徴はゼロトラストセキュリティであることだ。機密データやシステムを保護するために、(アクセスに対して確立された)信頼ベースのアクセスを強制するとともに、ユーザーの行動を継続的に監視・分析し、異常を迅速に検出して対応することを目的としたサービスとなっている。
また、シスコのSD-WANプラットフォーム「Viptela」「Meraki」を利用した「Managed SDx」ポートフォリオを提供。同様に、シスコのSD-WANセキュリティや「Umbrella」をベースとしたマネージドSASEサービスも提供している。
その他の協業分野には、ビジネスコミュニケーション、マネージドLAN/無線LANのためのキャンパスアクセス、クラウド電話、フルスタックオブザーバビリティ、ハイブリッドクラウド、IaaS(Infrastructure as a Service)、コンタクトセンター等がある。
今後について
両社が30年の節目を祝う中で、Kumar氏とHopson氏は、協業に関して今後見込まれる機会をいくつか挙げている。
既存のソフトウェアやサービスの更新・刷新
NTTリミテッドはシスコの最大のパートナーの1つであり、巨大なインストールベースを持っている、とKumar氏は指摘する。既存の相当数の顧客基盤による、先進的なデジタルプラットフォームやAI、洞察に富んだデータ分析等の新しいソフトウェアやサービスへの更新は、アップルの定期的な製品アップデートと同種の大きなチャンスとなっている。
シスコのテクノロジーの採用拡大
Kumar氏によると、NTTリミテッドは、ネットワーク、セキュリティ、データセンターに関するシスコの新しいテクノロジーに対応し、マネージドサービスの提供を拡大する計画だという。
デジタルウォレットのようなアプローチ
Hopson氏は、NTTリミテッドが顧客のシスコ製ソフトウェアに対する投資を管理・最適化し、投資収益率(ROI)を向上させる代理人の役割を担い、新たな投資やコンプライアンスに関する十分な情報に基づいた意思決定を支援するためのアドバイスを提供することが可能だと指摘した。
From networking to cybersecurity: Cisco and NTT celebrate 30-year managed service milestone

SDxCentralの編集者。
サイバーセキュリティ、量子コンピューティング、ネットワーキング、およびクラウドネイティブ技術を担当している。
バイリンガルのコミュニケーション専門家兼ジャーナリストで、光情報科学技術の工学学士号と応用コミュニケーションの理学修士号を取得している。
10年近くにわたり、紙媒体やオンライン媒体での取材、調査、編成、編集に携わる。
連絡先:nliu@sdxcentral.com

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