Google、独自のサステナビリティ戦略を試行=クラウド顧客企業と協働
Google Cloudは2030年までに世界各国での事業を常時CFE(カーボンフリーエネルギー)で運営できる体制にするという目標を以前から掲げているが、現在は顧客企業向けのパイロットプログラムを実施している。
プログラムの基盤となっているのは、地域ごとに時間単位で収集している過去およびリアルタイムのデータだ。これを基に、顧客企業の事業活動での電力消費による排出ポートフォリオが提供される。Googleによれば、エネルギーポートフォリオの最適化計画を立て、Googleと同じようにCFEによる事業運営を追求したい顧客企業にとって、同パイロットプログラムがひとつの基準になるという。
「カーボンニュートラルと100%再生可能エネルギーによる運用を実現したことは大きなマイルストーンでしたが、気候変動に対処するにはさらなる取り組みが必要だというのが当社の認識です」。Googleのエネルギー開発責任者、モード・テクシエ(Maud Texier)氏がメディアブリーフィングで語った。
再生可能エネルギーへの従来のアプローチは、企業が非再生可能エネルギーを消費し、その分を埋め合わせるために世界のどこかの電力網に再生可能エネルギーを供給するというものだった。しかし、これでは企業が直接使用するエネルギーは従来どおり化石燃料に頼った炭素集約型の電力網から供給されたものである可能性が高いことに変わりはない。
一方、Googleの取り組みは、事業活動における非再生可能エネルギー源の利用をなくし、外部のグリーンエネルギー事業に資金を提供するというものだ。
Google Cloudは2030年までに自社の全てのデータセンターとオフィスを常時CFEで運用する計画だ。毎時間の電力消費量を、同社が利用する各地の電力網で供給されるCFEで賄える量にするという。
「現在では(CFEを)あらゆる人々にとって現実のものとするために、世界的な運動の構築に貢献しています。……(中略)……大局的には、すべての人のために、永久に電力消費を脱炭素化することが役目です」。テクシエ氏は言う。「私たちの願いは、できるだけ多くの企業様に24時間365日体制(を目指す)ムーブメントに加わって頂き、電力網を脱炭素化してネットゼロを促進していくことです」
Google、「Carbon Footprint」ツールを強化
また、Google Cloudのサービスの利用によって生じるCO2排出量の測定、レポーティング、削減に使用できるツール「Carbon Footprint」のアップデートおよび機能拡張も発表された。主な更新内容は、レポーティングデータにScope1、Scope3の排出量が追加されることだという。
「数週間後には、当社が使用した電力の生産によって発生するお客様のScope2排出量の計上に加え、当社が直接管理する排出源からの排出量、お客様の排出量となる当社のScope3間接排出に関するデータをご利用いただけるようになります」。グローバルサステナビリティ担当マネージングディレクターのジャスティン・キーブル(Justin Keeble)氏がメディアブリーフィングで述べている。
この機能追加によって、クラウド利用に伴う排出量を「可能な限り包括的に把握できるようになります」と語った。
もう1つの機能拡張では、Carbon Footprintの考え方が「Google Workspace」に応用された。「GmailやMeet、Docsなどの製品に関連した排出量を把握したいお客様に対し、Carbon Footprint for Google Cloudのものと同様のレポーティング機能を提供いたします」。キーブル氏は説明している。
また、Carbon Footprint専用のIAM(Identity and Access Management)ロールも提供する。技術者以外のGoogle Cloudユーザーが排出量データにアクセスして追跡や開示情報の報告に利用できるようになるという。
Emma Chervek is a reporter at SDxCentral covering environmental sustainability and cloud-native ecosystems. Emma lives in Denver with her dog Koby, and they go on the best walks in the world together. Emma can be reached at echervek@sdxcentral.com or @emmachervek on Twitter.
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