Google社、Java使用に関する法廷闘争でOracle社に勝利

Google社がOracle社に対し大勝利を収めた。米連邦最高裁判所は5日、Google社がAndroid OSを構築する際にJava SEプログラミング言語を組み込んだ件について、Oracle社の特許を侵害していないという判決を下した。このこと自体よりもさらに重要なのは、この判決によって、ソフトウェアコードに対しては著作権法が通常と異なる形で適用される可能性があると示されたことだ。
最高裁が6対2で下した今回の判決では、Google社がAndroidの一部として約11,500行のJava SE(Standard Edition)コードを組み込んだことは、コードの「フェアユース(公正な利用)」であったとしている。最高裁の説明によると、使用されたコードとAPIはJavaコードベース全体のわずか0.4%にすぎず、事実上まったく新しいエコシステムを作るために使用されているという。
Stephen Breyer判事は判決文に、「Google社がコピーしたJava SE APIは、プログラマーがその蓄積してきた能力を生かして新しい革新的なプログラムを開発できるようにするために必要な部分に限られており、これは法律上、素材のフェアユースに当たる」と書いている。
長く続いた論争
Oracle社はJavaコードを開発したSun Microsystems社の買収後、2010年に最初の訴訟を起こしている。以来、同社は90億ドル(約9800億円)近い賠償を求め続けていた。
同社は明らかに判決に満足していない。
Oracle社のEVPかつ総合弁護士のDorian Daley氏は、「Googleの同プラットフォームはますます大きくなり、市場での力も増しています――侵入を阻む高い壁であり、競争は少なくて済む」とコメントしている。「彼らはJavaを盗み、独占企業にしかできないようなやり方で10年間の法廷闘争を行いました。このような行為こそが、世界や米国の規制当局がGoogleのビジネス手法を調査している理由です」
Oracle社のこうした見方は、オープンソースソフトウェアの使用をめぐってAmazon Web Services(AWS)社と争っているベンダー数社のそれとも似通っている。
ソフトウェアコードへの広範な影響
米調査会社Forrester Researchのシニアアナリスト、David Mooter氏と主任アナリストのSandy Carielli氏は、同ニュースについて書いたブログ記事の中で、今回の判決とその説明は今後のオープンソースコードやAPIの使用に対する裁判所の見方に大きな影響を与える可能性があるとしている。
「今回の判決では、コンピュータコードは書籍や映画とは異なり、他のあらゆる著作権対象メディアとは違う公共の利益を生み出すという機能的な目的を持っていると指摘されています」と2人は書いている。「裁判所はこれにより、他のメディアに対するよりも寛大であるように思われる、コンピュータコードのフェアユースについての判例を作ることができました」
抽象的になるが、2人は以下のように補足している。「判決文では、JavaのAPIをデューイ十進分類法や音声言語そのものと比較して説明しています。潜在的なアイデアの世界を定義し、ユーザーが実際のタスクを伴う現実世界に移行するのを可能とする、一種の構造的システムだということです。これは強いシグナルを送っていると考えます――APIはアイデアであってアイデアの表現ではなく、したがって著作権の対象にはならないということシグナルです」
今回の判決によって、プラットフォームの構築に当たってオープンソースコードに大きく依存している企業・組織のプレッシャーが取り除かれる可能性もある。アナリストの2人は、「ソフトウェア構成分析(SCA)ツールのライセンスリスク機能を活用して、オープンソースパッケージ内の非準拠ライセンスやリスクの高いライセンスがないか探している」法務チームやコンプライアンスチームのプレッシャーを軽減できると述べている。
「もし、GoogleがOracleの著作権を侵害したという判決が下されていたらと想像してみてください」と2人は指摘する。「こうした所有権や責任に関する問題は、はるかに厄介なものになっていたでしょう。あらゆる企業・組織でコードの再スキャンを行い、Google社と同様のリスクを抱えたAPI宣言がないか探すことになります。コードの分析、誤検出の破棄、経験的にリスクレベルを推測することに時間が費やされ、開発、コンプライアンス、法務の各部署で夜遅くまで作業が続く日々となったことと思います」
https://www.sdxcentral.com/articles/news/google-scores-java-court-victory-over-oracle/2021/04/

Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.

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