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文:Emma Chervek

Google Cloudの業績の変動は終わりを迎えるのか

Google Cloudの業績の変動は終わりを迎えるのか

Google Cloudが2023年第4四半期の決算を発表した。四半期売上高が90億ドルを突破、前年同期比26%増となっている。第1四半期にようやく黒字化したものの、その後も業績は大きく変動、第3四半期に大きく減速したのち、同四半期には再加速を見せた。

投資家はこれに対し、ワークロードを最適化する取り組みが進み、第4四半期は成果が出てきたということなのか、あるいは生成AIに関する取り組みがついに実りつつあるのかと質問している。回答はその両方というものだった。

Googleの持株会社、米AlphabetのSundar Pachai(サンダー・ピチャイ)CEOによると、Google Cloudが持つデータ分析やインフラ、セキュリティ等の土台にAIサービスが加わったことで、クラウドサービスへの関心が増し、早期導入が進んでいるという。生成AIのユニコーン企業の70%以上がGoogle Cloudを利用しているとアピールした。

「AIは2024年を通して当社の強みが発揮されていく分野です。AI分野では今後イノベーションを実現していけると考えていますので、尚のことそう思います」と語った。

CFOのRuth Porat(ルース・ポラット)氏は、「(Google Cloudセグメントについては)AIの貢献度も増して勢いづいており、とても喜ばしく思っています」と述べている。

データセンターへの設備投資を大幅拡大へ

Google Cloudは第4四半期、データセンターへの設備投資として110億ドルを計上している。さらに、今年はそれを「大きく上回る」投資を計画しているとPorat氏が述べている。

第4四半期は主に技術インフラへの設備投資が行われた。最も多かったのはサーバーへの投資で、次いでデータセンターとなっている。

アナリストの予測によると、2028年までにクラウドハイパースケーラーによるデータセンターへの設備投資は1,000億ドル近くに達し、年間投資額の25%がAIワークロードを対象としたものになると見込まれている。

Microsoft Azure、Amazon Web Services(AWS)との競争が続く中、Google Cloudは世界規模でデータセンターの構築を進める計画だ。

今年初め、英国での新しいデータセンター建設に10億ドルを投資する計画を発表。Googleでバイスプレジデントを務めるDebbie Weinstein(デビー・ワインスタイン)氏は、「イノベーションやテクノロジー主導の成長を支えるために必要な技術インフラに投資するのは極めて重要なことです」と述べている。

新設されるデータセンターはハートフォードシャー州ウォルサムクロスに約13.4ヘクタールのキャンパスを持ち、英国企業が大いに必要としているコンピューティング能力を提供、AI分野のイノベーションを支え、同国のGoogle Cloudの顧客に対する信頼性の高いサービス提供を担うことになる。

「第4四半期の設備投資額の増加はAIに関する当社の今後の見通しを反映したものです。AIはさまざまな素晴らしい活用方法によって世界のユーザーや広告主、開発者、クラウド事業の法人顧客、政府機関の恩恵となり、それによって長期的な成長機会をももたらすでしょう」とPorat氏。

現金支払いのタイミングによっては四半期ごとの設備投資額に影響が出る可能性はあるものの、「投資は続けていくということです」と語った。

Is Google Cloud’s volatility coming to an end?

Emma Chervek
Emma Chervek Reporter

SDxCentral のレポーター。
データセンターのテクノロジーとビジネス ケース、環境の持続可能性、クラウドネイティブ エコシステムを担当。
エマは愛犬コビーとデンバーに住み、世界一の散歩を一緒に楽しんでいる。
連絡先:echervek@sdxcentral.com
X:@emmachervek

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