5G
文:Dan Meyer

マイクロソフトの宇宙事業「Azure Space」、パートナー企業を募集

マイクロソフトの宇宙事業「Azure Space」、パートナー企業を募集

マイクロソフトが最先端のプログラム「Azure Space」の門戸を開き、パートナーを募集している。エコシステムをさらに強化し、遠隔地やエッジロケーションでプライベートLTE/5Gネットワークを展開する顧客に対して技術サポートや拡張サポートを提供したい考えだ。

「Azure Spaceパートナーコミュニティ」は、多様なベンダーを1つの傘下にまとめてエンドユーザーにアクセスしやすくするとともに、そうしたエンドユーザーがエッジ製品をより簡単に組み合わせられるようにしようという試みだ。

同プログラムに参加するベンダーは、共同イノベーション、GTM支援、技術サポートを利用できる。これにはマイクロソフトのエンジニアリングチームへのアクセス、四半期ごとのロードマップのレビュー、サービスロードマップの策定支援などが含まれる。

また、マイクロソフトは「優れたインセンティブプログラム」についてもアピールしている。MACC(Azure消費コミットメント)を利用したAzureクレジットや価格割引、優先サービスアップデート、マーケティング資産を提供するものだ。

同プログラムには現在20社を超えるパートナーがおり、ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)、ノキア、エクスプロア、衛星通信事業者のSES、ヴィアサット(Viasat)、インテルサット(Intelsat)などが名を連ねている。

7月に開催された「Microsoft Inspire」では、こうしたパートナーとの事業の一部についてサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOが基調講演で語った。

「たとえば、インテルサットは衛星ネットワークを当社のクラウドに接続、お客様が世界でも有数の遠隔地でプライベートLTE/5Gネットワークを構築するのを支援しています」。「(米国海洋大気庁(NOAA)は)当社パートナーのエクスプロアと協力、サービスとしてのAzure軌道地上局を利用して、衛星のミッション寿命を延ばすとともにコストを削減する取り組みを行っています。NOAAの極軌道気象衛星へコマンドを送信する際にはAzure軌道地上局とエクスプロアのミッション制御ソフトウェアプラットフォームを使用しています」

 

マイクロソフトの宇宙開発競争

マイクロソフトの宇宙事業への取り組みは2019年にさかのぼる。この年「Azure ExpressRoute」プラットフォームをローンチ、衛星事業者のSES、ヴィアサット、インテルサットと立て続けに提携を結んだ。この取り組みの狙いは、Azureクラウドサービスの提供先を遠隔地の放送局、企業、政府機関に拡大することだった。

翌年には同プログラムを基にAzure Spaceイニシアチブを立ち上げ、同社が持つ広大なデータセンターやクラウドインフラとの結びつきをさらに強めた。

「当社のアプローチは、マルチ軌道、マルチバンド、マルチベンダーのクラウド対応機能を提供し、当社のクラウドデータセンターリージョン-クラウドエッジデバイス間で包括的な衛星接続を提供しようというものです」。当時、Azure Globalバイスプレジデントのトム・キーン(Tom Keane)氏が自社ブログで述べている。

競合のAmazon Web Services(AWS)は衛星事業に関してはより実際的なアプローチを取っており、低軌道(LEO)衛星ネットワークを構築することでインターネット接続が未提供の地域や十分でない地域に接続を拡大する計画を持っている。この取り組みは「Project Kuiper」と呼ばれ、3,236基の衛星を利用する計画であり、すでに米通信事業者ベライゾンの支持を取り付けている。

こうした取り組みには非常に大きな期待が寄せられている。

スウェーデンの調査会社ベルグインサイト(Berg Insight)が昨年予測したところによると、衛星IoT市場の規模は2020年末の340万接続から2025年には1,570万接続に成長するとされている。同社は「地上の接続サービスを利用可能な地域は地球表面の約10%に過ぎず、衛星IoT通信には大きな機会が残されています」と書いている。

金額にすると、米アライドマーケットリサーチ(Allied Market Research)の予測によれば、世界の衛星データサービス市場の売上高は2020年の60億ドル(約8,140億円)から2030年には460億ドル(約6兆2,440億円)近くに急増するとされている。

https://www.sdxcentral.com/articles/news/microsoft-azure-space-seeks-partners/2022/07/

Dan Meyer
Dan Meyer Executive Editor

Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on containers, lifecycle service orchestration, cloud automation, and DevOps. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.

Dan Meyer
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