Microsoft社、Azure Edge Zonesで5Gに飛び込む
Microsoft社は3月31日(現地時間)、キャリアの5Gネットワークのエッジにコンピューティング、ストレージ、ネットワークリソースを組み込むよう設計された、Azure Edge Zoneのプレビューを発表した。Microsoft社はこの動きによって、クラウドコンピューティングとモバイルネットワークを融合させて、低レイテンシを必要とするエンタープライズ、IoT、アプリケーション向けのエッジコンピューティングを強化するという、業界全体に浸透しているトレンドを取り入れた形だ。
AT&T社、CenturyLink社、Etisalat社、NTTコミュニケーションズ、Proximus社、Rogers社、SK Telecom社、Telefónica社、Telstra社、Vodafone社などのオペレータ各社がこの取り組みでMicrosoft社と提携しており、今年後半に顧客がAzure Edge Zoneを利用できるようにする計画だ。Microsoft社はまた、今後12か月の間にスタンドアロンのAzure Edge Zonesをさまざまな都市に展開する予定であり、プライベートエッジゾーンを展開する企業との取引を模索していると話した。
Microsoft社によると、Azure Edge Zoneが今夏までにロサンゼルスで利用可能になる予定であることで、AT&T社との多岐にわたるクラウド取引も本格化しているという。両社は、新しい機能やリソースへのアクセスがしたい開発者や企業向けに早期導入プログラムを提供している。
モバイルエッジコンピューティングは登場するまでが長くかかっており、想定される普及レベルをオペレータやハイパースケーラーが実現するまでには何年もかかるだろう。「かなり長い間まったくの別物だった2つの世界が、今、明らかに一緒になり始めています」と、CCS Insight社のSVPで企業調査責任者であるNick McQuire氏は述べている。
「この製品によって通信業界におけるMicrosoft社の地位はある程度強化されると言えるでしょうが、このような機会に向けて組織立ってきたクラウド分野のプレーヤーは同社だけではありません」と氏は言う。
Azure Edge Zonesは、(Amazon社という)クラウドの巨人が約4か月前に商用化したアマゾンウェブサービス(AWS)Wavelengthsに対するMicrosoft社の回答となっている。McQuire氏によると、2つの製品の差異は比較的小さく、目的は同じだという。
Microsoft社、開発者の関心を競う
「通信事業者が必要としているのは、開発者、特に(Microsoft社、Google社、AWSの)クラウドエコシステムを強く指向しているソフトウェア開発者にリーチすることです」と氏は言う。「5Gネットワークとクラウドの統合が始まった今、こうした動きが興味深いのは、5Gの利点、特に低レイテンシ、高可用性、帯域幅といった利点を実際に活用できるアプリケーションを開発者が構築するにあたって、選択肢はより多く、作業はよりシンプルになるためです」
5Gのより大きな経済的機会は企業にあるとほとんどのオペレータは気づいているが、実際のインスタンスやアプリケーションは「現時点では非常に数が少なく」、この技術はまだ初期段階にある、とMcQuire氏は説明する。「単純にインフラストラクチャのカバレッジがなく、私たちはまだサイクルの初期にいると言えます」
各オペレータがモバイルエッジコンピューティングにおいてどの開発段階にあるかはさまざまだが、今の段階でそれ以上に重要なのは、関与水準と開発者からの賛同だと氏は言う。
Microsoft社は、開発者をターゲットにすることに加えて、企業がプライベート展開において関心を持つさまざまな機能をアピールするための基盤を整えている。同社は、仮想ネットワーク機能(VNF)、仮想マシン(VM)、Kubernetesコンテナオーケストレーション、SD-WAN、ファイアウォール、IoTエッジデバイスのサポートなどを可能にするために、12社を超えるハードウェアベンダーやソフトウェアベンダーが提供するサービスを活用している。
こうしたベンダーの1つであったAffirmed Networks社は、先週Microsoft社に非公開の金額で買収された。5G展開を支える同社の仮想化EPC(vEPC)プラットフォームはAzure Edge Zoneで一翼を担うことになる。
Microsoft社のAzure Stack Edgeに関わっている企業は他にもArista社、CommScope社、NetFoundry社、Mavenir社、Metaswitch社、Nokia社の子会社であるNuage Networks社、Palo Alto Networks社、VMware社が所有するVeloCloud社などがある。
「クラウドと5Gを利用し、コンピューティングや人工知能などのクラウドサービスと高帯域幅のモバイルや超低遅延接続を組み合わせることで、新しい可能性が生まれます」とAzure Networking担当コーポレートVPであるYousef Khalidi氏はブログ投稿で述べている。Azure、Azure Edge Zones、Azure Private Edge Zonesは、企業が具体的なニーズを満たすために使用できる共通のアーキテクチャに基づいて構築されている、と氏は説明する。
「たとえば、Azureで本社のインフラストラクチャを実行している企業は、レイテンシの影響を受けやすいインタラクティブなカスタマーエクスペリエンスを提供するためにAzure Edge Zoneを利用したり、リモート拠点向けにAzure Private Edge Zoneを利用したりすることができます」とKhalidi氏は書いている。
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
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