NutanixがCiscoと提携、VMwareとBroadcomをめぐる懸念に便乗

Nutanixがハイブリッドクラウド市場、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)市場での成長を拡大するため、Ciscoとグローバルな戦略的提携を結んだ。「GPT-in-a-Box」の発売で人工知能(AI)をサポート、VMwareに引き続き対抗する。
両社の提携により、Ciscoが「Cisco UCS (Unified Computing System)」ファミリーのハードウェアと「Nutanixクラウドプラットフォーム(NCP)」のソフトウェアを統合、バンドルソリューションとして販売可能になる。Nutanixのプレジデント兼CEOであるRajiv Ramaswami(ラジブ・ラマスワミ)氏は、この提携により、TAM(total addressable market、獲得可能な最大市場規模)を大きく拡大できると期待している。
Ciscoは、「UCS」サーバー、「ACI(Application Centric Infrastructure)」のネットワーキングおよびセキュリティ機能に加え、「UCS Manager」および「Intersight」による管理機能を提供、Nutanixクラウドプラットフォームのソフトウェアと統合する。
同バンドルサービスは、Cisco UCSの各種ラックサーバー、ブレードサーバーをサポート、柔軟な導入オプションを提供する。「UCS C」シリーズの初期サポートや、将来的な「UCS X」シリーズへの拡張計画にも対応するという。「当社のクラウドソフトウェアは、Ciscoのハードウェア、ネットワーク、セキュリティ、コンピュータハードウェアとともに、シスコによってまとめられ、完全に統合されたソリューションとして販売されます」。Ramaswami氏は2023年第4四半期の決算説明会の後、少数の報道陣に語った。
また、この統合ソリューションは、顧客がデータセンターで必要とするハードウェアとソフトウェアの両方に対応していると付け加えた。「つまり、お客様はデータセンターに必要なものをほとんどすべてCiscoから購入することができるのです」
Nutanixの現在の顧客数は約25,000社だが、同社のTAMは少なくとも100,000社に上るという。「事実として、シスコはわれわれよりもはるかに大きな市場進出戦略(GTM)組織を持っています」と決算説明会の中で氏は述べた。「Ciscoの市場は広く、当社にとっては市場拡大のきっかけになってくれるかもしれません」
NutanixはBroadcomのVMware 買収懸念から恩恵を受け続ける
Nutanix にとって、Ciscoとの提携は、ハイブリッドクラウドとHCI市場における競争力強化になる。また、規制当局の調査対象となっているBroadcomのVMware買収案件をめぐる懸念を受けて、顧客エンゲージメントも向上し続けている。
「同案件をめぐる懸念を受けて、当社では引き続き大きなエンゲージメントとチャンスが見られます」と氏。第4四半期には、Fortune 100にランクインしている企業が「VMwareへの懸念から当社との取引拡大を決定」、ACV(Annual Contract Value、年間契約額)7桁規模の契約を獲得したという。「とはいえ、すでに契約が著しく増加したということではありません」と述べた。
GPT-in-a-Boxで生成AIの導入をシンプル化
今年の初め、Nutanixは大規模言語モデルGenerative Pre-trained Transformer(GPT)の実装をシンプル化することを目的とした「GPT-in-a-Box」を発表した。
同バンドルサービスは、NutanixのHCIやその他のサービスに生成AIアプリケーションや基盤モデルを追加したもので、「Nutanixクラウドインフラストラクチャー(NCI)」、「Filesストレージ」および「Objects ストレージ」ソリューション、「AHV」ハイパーバイザー、Nvidia製GPUアクセラレーションを備えたKubernetesが含まれる。Llama2、Falcon、MPTなどのさまざまな大規模言語モデル(LLM)をサポートしているという。
Ramaswami 氏によると、同社の顧客がすでに興味を示しているという。
「これは、フルスタックのソフトウェア定義AI対応プラットフォームであり、お客様が当社のプラットフォーム上に主要なオープンソースAIフレームワークを使用する厳選されたLLMのセットを展開するために、ハードウェア/ソフトウェアのサイズ調整や構成をする際の支援サービスを備えています」と氏「これにより、お客様はデータとアプリケーションのコントロールを維持しながら、容易にAI対応インフラストラクチャを導入し、GPTを微調整して実行することができます」
Ramaswami 氏は、同サービスは主に、利用可能な基盤モデルを使用しているが、独自のLLMを構築していない顧客のためのものだと述べた。「ほとんどの企業様は、独自のモデルを開発することはないと思います。おそらく、手持ちのデータを利用して基盤モデルを微調整されるでしょう」
Nutanix partners with Cisco, looks to capitalize on VMware-Broadcom buzz

SDxCentralの編集者。
サイバーセキュリティ、量子コンピューティング、ネットワーキング、およびクラウドネイティブ技術を担当している。
バイリンガルのコミュニケーション専門家兼ジャーナリストで、光情報科学技術の工学学士号と応用コミュニケーションの理学修士号を取得している。
10年近くにわたり、紙媒体やオンライン媒体での取材、調査、編成、編集に携わる。
連絡先:nliu@sdxcentral.com

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