米Qualcomm、5GオープンRANコンポーネントを発表
半導体設計・通信技術の米Qualcommは28日、ミリ波技術で広く通信事業者の協力を得ていくことを伝えるとともに、各種の5GオープンRANスモールセルと5G DU(分散ノード)アクセラレータカードを発表した。
昨年には2022年前半に発売予定のチップ、SoC(システムオンチップ)ベースの製品、リファレンスアーキテクチャのポートフォリオを発表し、オープンRANチップセット事業への参入を宣言している。
Qualcomm社で製品管理担当シニアディレクターを務めるGerardo Giaretta氏が記者ブリーフィングで説明したところによると、同社はミリ波・サブ6向けのインフラをターゲットとしており、5G事業者が基本となるカバレッジを達成後、大容量を実現し新しいユースケースに対応するための必要技術を展開する部分を支援しているという。
5Gネットワークの展開方法や実装方法は多様化する必要があると氏は言う。また、5Gインフラは前世代のセルラー技術よりもはるかに複雑なものだという。
Qualcomm社、5G物理層に注力
「Qualcommの5Gインフラに関する観点を申し述べますと、当社は5G物理層、すなわちプロトコルスタックのレイヤー1と呼ばれる部分に注力しています」とGiaretta氏。これには無線機器が備えるベースバンド機能、RF(無線周波数)機能、DUが備えるベースバンド機能などがあるという。また、「いずれもオープンRANフレームワークに準拠しています」と氏は付け加えた。
市販サーバにプラグインできる「5G DU X100」アクセラレータカードは、オープンRANフロントホールや5G NR レイヤー1の処理向けに、サブ6やミリ波のベースバンドをサポートしているのが特徴だ。
同社によると、このアクセラレータカードを活用すれば、ネットワークのパフォーマンスを向上させ、必要なCPUの数を減らすことができ、消費電力の削減につながるという。現在は、ドイツテレコム、NTTドコモ、英Vodafoneと協力してオープンRAN技術の改良に取り組んでおり、アクセラレータカードは2022年前半に発売予定だとしている。
Qualcomm社、5GオープンRANスモールセルの第1号と宣言
Qualcomm社はまた、中国、欧州、日本、韓国、米国などの通信事業者やベンダー35社以上と協力して、5Gミリ波技術の改良に取り組んでいくことも発表した。
CEOのCristiano Amon氏はあるステートメントで、「5Gミリ波の(利用の)拡大はもはや必然です。5Gの潜在能力を最大限に発揮させるために不可欠のものであり、5Gミリ波を採用する企業は競争上の優位性を得ることができるでしょう」と述べている。
Qualcomm社のミリ波への取り組みには、米AT&T、米Casa Systems、China Unicom(中国聯合通信)、Chunghwa Telecom(中華電信)、ドイツテレコム、KDDI、モトローラ、ノキア、NTTドコモ、豪Optus、仏Orange、楽天モバイル、サムスン、シンガポールテレコム、ソフトバンク、Telia Finland、豪Telstra、US Cellular、ZTEといった企業が協力している。
Qualcomm社はまた、3GPP「リリース16」をサポートするスモールセル用の第2世代5G RANプラットフォームも発表した。同社によれば、リリース16の5GオープンRANプラットフォームをサポートするモデム-RFシステムとしては初のものだという。
同プラットフォーム「FSM100xx」の特徴は、ミリ波帯・サブ6帯で動作するeURLLC(強化型超高信頼性低遅延通信)や最大8Gb/秒のデータ速度にあるという。
Qualcomm社は、米Airspan、米Altiostar、台Askey、中Baicells、キャップジェミニ・エンジニアリング、台Foxconn、米Radisys、サーコムと協力して新型スモールセルの開発を進めており、2022年前半の発売を目指している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/qualcomm-parades-5g-open-ran-components/2021/06/
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.
JOIN NEWSME ニュースレター購読
KCMEの革新的な技術情報を随時発信
5G・IoT・クラウド・セキュリティ・AIなどの注目領域のコンテンツをお届けします。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
KCME注目の技術領域に関するテックブログを配信しています。
RELATED ARTICLE 関連記事
-
OPEN-RAN Dan Meyer2024.10.22
2025年以降、オープンRAN市場は活性化するのか=米通信業界の事例
米衛星通信のエコースター(EchoStar)と米通信…
-
OPEN-RAN Dan Meyer2024.10.08
オープンRANに必要な後押しはAIなのか
米通信大手TモバイルUSが先月18日、「AI-RAN…
-
5G Dan Meyer2024.09.19
「5G RedCap/eRedCap」通信モジュール市場、急成長の見込み
IoT向けの新しい通信規格、5G RedCap(Re…
-
5G Dan Meyer2024.09.09
5G時代へ=中小の通信事業者は備えができているのか
最新の5G機器や、vRAN/オープンRANのようなア…
HOT TAG 注目タグ
RANKING 閲覧ランキング
-
IT Dan Meyer
BroadcomによるVMware製品の価格/ライセンスの変更がどうなったか
-
IT Dan Meyer
Broadcomは「脅迫者」=米AT&Tが酷評
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2024年における10のネットワーキング技術予測
-
IT Dan Meyer
BroadcomがVMwareパートナープログラムの詳細を発表
-
セキュリティ Nancy Liu
SASE市場が急成長=第1四半期、首位はZscaler
-
IT Dan Meyer
Dell、HPE、LenovoはBroadcomがVMwareの顧客の懸念を和らげるのに役立つか?
-
セキュリティ Tobias Mann
米CitrixはMcAfee社、FireEye社と同じ運命を辿るのか=買収合併の後に
-
セキュリティ Nancy Liu
デル、データ侵害を確認=ハッカーが4900万件の顧客データ販売を主張
-
スイッチング技術 Tobias Mann
コパッケージドオプティクスの実用化は何年も先=専門家談
-
ネットワーク Sean Michael Kerner
2023年 ITネットワークのトレンドTOP10 現時点