楽天シンフォニー、NEC、英通信事業者ヴァージンメディアO2が5G対応オープンRANサービスに向けた取り組み
楽天シンフォニー、NEC、英国の通信事業者ヴァージンメディアO2(Virgin Media O2)がオープンRAN実証をフィールド試験に進める。ヴァージンメディアO2の商用ネットワーク内のいくつかの基地局を利用、オープンRANを構築したと発表した。英国政府は通信事業者にオープンRANを展開するよう強く働きかけており、本取り組みはこれに沿ったものとなっている。
試験はNECがシステムインテグレーションを提供し、楽天シンフォニーのオープンRANソフトウェア、エッジクラウド、無線管理、運用システムを使用、ヴァージンメディアO2のノーサンプトンシャー地域のブラウンフィールドネットワークで行われる。今回の実展開の前にはインドにあるNECと楽天シンフォニーの各ラボ、ロンドンにあるNECのオープンRANラボで試験が行われていた。
NECは最近アイルランドのアスパイヤーテクノロジー(Aspire Technology)を買収、システムインテグレーションを強化している。2010年に元エリクソンの技術者たちが設立、通信事業者に対してオープンRAN製品を中心としたコンサルティングとネットワークインテグレーションサービスを提供する企業だ。
「今回、アスパイヤーテクノロジーの強力なシステム構築力と優秀なエンジニアが加わることで、NEC Open Networksの戦略を大きく前進させることができます」。NECの5G戦略&事業統括部長、松田尚久氏が買収に関するステートメントで述べている。「各機能を分離させたネットワークコンポーネントを統合してオープンRANエコシステムを確立する事業者として、NECは他社をリードする立場になります」
NECは楽天モバイルの日本での5G展開にも協力しており、他の通信事業者数社ともオープンRANベースの5G商用展開やネットワーク試験運用で協業している。
楽天シンフォニーにも複数の実績がある。同社は楽天グループからの分社化によって設立、世界中の多くのネットワークにオープンRANアーキテクチャを広げていくことを目的としている。今年はすでにAT&T、シスコ、ノキア、クアルコムとの展開契約を獲得、その前にはドイツの1&1などの通信事業者とも契約を結んでいる。
ヴァージンメディアO2、英国のオープンRAN展開ラッシュに拍車
英国政府はオープンRANを活用して国内ネットワークの安全性を高めようと積極的な取り組みを行っており、今回の展開もその延長線上にある。同政府は2020年半ば、中国のファーウェイが提供するネットワーク機器を2027年までにすべて撤去することを義務付けた。この結果、英ボーダフォンやドイツテレコム、仏オランジュ、西テレフォニカといった欧州の通信事業者がオープンRANプラットフォームを推進、ベンダーの選択肢の拡大・多様化を目指している。
4社はオープンRAN技術に個別および共同で取り組み、オープンなインターフェースを備えるとともにハードウェアとソフトウェアを分離した通信ネットワークを展開していくことで合意している。携帯キャリア各社はオープンRANに格別の関心を持っている――既存のRANにはプロプライエタリな性質があり、グローバルRANサプライヤー3社が事実上寡占している状況で、オープンRANがこれに代わる選択肢として位置づけられているためだ。
英国での取り組みをリードしている1社がボーダフォンだ。同社は昨年後半に最初の商用オープンRAN基地局を立ち上げており、2027年までにさらに2,500局をイングランド南西部とウェールズのほぼ全域に展開するとしている。
Dan Meyer is Executive Editor at SDxCentral, with a focus on Telecom, 5G, radio access networks (RAN), and edge networking. Dan has been covering the telecommunications space for more than 20 years. Prior to SDxCentral, Dan was Editor-In-Chief at RCR Wireless News. You can contact Dan directly at: dmeyer@sdxcentral.com, on Twitter at: @meyer_dan, or on LinkedIn at: dmeyertime.
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