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文:Matt Kapko

サムスン、最高の4G製品を初期の5G製品が上回ったと宣言

サムスン、最高の4G製品を初期の5G製品が上回ったと宣言

5G時代に突入してわずか2年、サムスンネットワークス社のプレジデント兼責任者、Paul Kyungwhoon Cheun氏は、「すでに4Gの時よりも多くの5G契約を結んでおり、5G対応無線機を400万台以上出荷しています」と話す。

氏はあるプレゼンテーションの中で、世界の5G導入におけるサムスンの台頭を支えているのは、仮想化、内製チップ、それにソフトウェアだとした。

「私たちは、2019年から内製のSoC (システムオンチップ) を搭載した5G製品を供給しています。第1世代の5G SoCの出荷数は、現在20万個を超えています」とCheun氏は言う。

 

仮想化が5G分野におけるサムスンの台頭を後押し

Cheun氏によると、サムスンの製品としては仮想化コア製品も広く展開されており、全世界のモバイルトラフィックの15%以上を担っているという。また、ベライゾンとの協業に触れ、「当社は米国のTier 1 の通信事業者と共に大規模な仮想化RANを商用化した唯一の大手ベンダーです」と付け加えた。

サムスンは昨年、ベライゾンと664,000万ドル(約7340億円)の契約を結び、2025年まで5G RAN機器を提供することになっている。ベライゾンがノキアとのビジネスの大部分に終止符を打ち、RAN契約をエリクソンとサムスンに分け与えたことで、サムスンはこの大規模な契約を獲得した。

また、今年はNTTドコモとも5G RANに関する新たな契約を結んでおり、Vodafoneによる英国でのオープンRAN展開にも機器を提供することになっている。

サムスンは今年、最初の5G vRANポートフォリオを発表し、最近ではミッドバンドに対応した仮想化5G Massive MIMO(マッシブマイモ)無線機を2022年初頭にリリースする計画を発表した。エリクソンは6月下旬、2022年後半にvRAN Massive MIMO無線機をリリースすると発表している。

サムスンネットワークス社でEVP兼グローバルセールス&マーケティング責任者を務めるWoojune Kim氏は、同社開催のイベントで、「仮想化とは、専用ハードウェアをソフトウェアでリプレイスすることです」と語っている。

サムスンネットワークスのEVP兼研究開発責任者、Junehee Lee氏は、サムスンの完全仮想化RAN・コアネットワーク機器はクラウドネイティブアーキテクチャに準拠しており、「当社はvRANMassive MIMO無線機の相互運用性を提供する、業界初の企業です」と主張している。

 

サムスン、チップ・無線機・5G SAコア・ネットワークスライシングを準備

サムスンは2015年、最初の仮想化コア製品を市場に投入した。2019年には世界初の仮想化非スタンドアロンコアネットワークを展開し、「現在は5Gスタンドアロン(SA)コアの立ち上げを準備しています」とLee氏は言う。「当社の5G SAコアは、5G時代の膨大なデータトラフィックに完全に対応できると確信しています」

また、Lee氏によると、サムスンは3GPPに準拠したマイクロサービスベースのネットワークスライシングソフトウェアのリリースも準備しているという。

「ソフトウェアへの移行が次世代ネットワークの明確な特徴となっている今であっても、タワー上の無線機には今も半導体チップに依存する専用ハードウェアが必要です。これは、Massive MIMOのような複雑な技術を、できる限り小さく環境に優しい筐体に収めなければならない5Gの世界への移行が進めば、ますます重要になってくる部分です」とKim氏は言う。

サムスンは、来年発売予定の小型マクロ無線機やMassiveMIMO無線機、ベースバンド装置に搭載される一連の新しいチップセットを公開した。第3世代のミリ波RFIC(無線周波数集積回路)チップ、第2世代の5GモデムSoC、デジタルフロントエンド-RFIC統合チップなどがある。

また、ミッドバンド展開向けのMassive MIMO、サブ3GHz帯に対応したパッシブアンテナなどの統合アンテナを搭載する「One Antenna Radio」も披露した。同無線機はまず、2022年初頭に欧州市場で販売するという。

サムスンが最近SDxCentralに語ったところによると、内部分析の結果、集中型のvRANを展開することで、分散型RANアーキテクチャと比較して、5年間で通信事業者の総所有コストを13%、OPEX(運営費)を25%削減できるという。サムスンは、仮想化が従来のRAN機器と同等の性能を実現できることが同社のvRAN製品によって証明されたとしている。

米調査会社DellOroグループによると、サムスンは2021年第1四半期、通信分野で十分な売上を獲得して世界の通信機器サプライヤーのランキングで米Cienaを追い抜き、3%の市場シェアを持つ第6位の通信機器ベンダーとなっている。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/samsung-boasts-early-5g-wins-best-4g/2021/06/

Matt Kapko
Matt Kapko Senior Editor

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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