米Versa、SASEに5GワイヤレスWANを組み込む
5G接続機器を提供するSD-WANベンダーやSASEベンダーがますます増えるなか、9月中旬に米Versa Networksもこれに加わった。
Versa社のSD-WANアプライアンス「CSG 700」「CSG 1000」に、工場出荷時オプションで5Gモデムや4G LTEモデムを付けられるようになった。接続にはほとんどの携帯電話会社が使用しているサブ6 帯を使用しており、同社によると、SA方式・NSA方式両方の5Gに対応し、ピーク時のダウンロード速度は5 Gb/s、アップロード速度は650 Mb/sを実現できるという。
これらの製品がターゲットにしているのは、キオスクやポップアップストアのような迅速な支店展開を必要とする顧客企業に対してマネージドSD-WANやセキュリティサービスを提供している通信事業者や、従来型のWANインフラが限られている地域で高性能な接続を必要とする企業だ。
また、各製品はパブリック5G、プライベート5G、米国のFirstNetのような救急用通信網など、使用する各5Gネットワークに合わせた設定が可能だ。Versa社で製品マーケティング責任者を務めるDogu Narin氏がSDxCentralへのメールで説明したところによると、使用地域で5G接続が利用できない場合、自動的に4G LTE Advanced接続にフォールバックするという。
どちらの機器も、サービス品質、ネットワークセグメンテーション、オンプレミスのセキュリティ、クラウド提供のSASEスタックとの統合といったVersa社のSD-WAN機能の標準スイートを備えている。
「SASEと最適化された接続があれば、企業は意欲的なSLA(サービス品質保証)を達成するとともに、機器固有のエンドツーエンドセキュリティを利用し、エッジでの5Gサービス展開を最速で実現することができます」。Narin氏はステートメントで述べている。
Versa社は昨夏、リモートワーカー向けのプラットフォームを開発し、加熱するSASE市場に参入した。以来、SASEネットワークをPOP(Point Of Presence)90ヵ所にまで拡大し、その過程でベンチャーキャピタルから8,400万ドル(約94億円)を獲得している。
Versa社のSASEスタックには数多くのセキュリティ機能が含まれている。セキュアWebゲートウェイ、ゼロトラストネットワークアクセス、CASB、SD-WAN、統合脅威管理、クラウドベースのファイアウォールなどだ。
5Gを中心としたSD-WANが発表されるのはこの1カ月足らずで3件目となる。
9月中旬、米パロアルトネットワークスが同社初の5G接続SD-WANアプライアンス「ION 1200」を発表した。従来型の十分なWANインフラを利用できない企業の支援を目的としている。
米Cradlepointは昨秋に通信機器ベンダーのエリクソンに11億ドル(約1,230億円)で買収されて以降初めてとなる主要機器のアップデートを発表した。既存のE3000ルータにデュアル5Gモデムと高速イーサネット接続を追加している。
Versa社、MSPへのリーチを拡大
新しいハードウェアに加えて、Versa社は同じ週に米Logix Fiber Networksとの新しいサービス事業者契約を獲得した。
テキサス州を拠点とするこのサービス事業者は、Versa社のSD-WANプラットフォーム「Titan」とSASEプラットフォームを組み合わせて導入し、リモートワークモデルやハイブリッドワークモデルに移行する企業を支援する計画だ。
2019年に発表されたTitanは企業向けSD-WANの機能縮小版で、リソースに制約のある小規模なITチーム向けに、導入・管理をシンプル化できるように改善したインターフェースを備えている。
Versa社は今春、Titanの大幅なアップデートを発表し、SASEプラットフォームを介したリモートアクセス機能を追加できるようにした。
その際、Versa社CMO(最高マーケティング責任者)のMike Wood氏は次のように語っている。「これにより、従業員は文字通りどこにでも移動できるようになります。全機能ではないものの、安全なアクセス、以前よりも向上した体験品質、信頼性を手に入れ、デバイスに至るまでのセグメンテーションとポリシーを利用することができるのです」
https://www.sdxcentral.com/articles/news/versa-rolls-5g-wireless-wan-into-sase-play/2021/09/
Tobias Mann is an editor at SDxCentral covering the SD-WAN, SASE, and semiconductor industries. He can be reached at tmann@sdxcentral.com
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