VMware Edge Compute Stackがアップデート=新しい機能とライセンスモデル(Broadcomのメッセージと符合)
![VMware Edge Compute Stackがアップデート=新しい機能とライセンスモデル(Broadcomのメッセージと符合)](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2024/02/software-update.jpg)
VMwareが「Edge Compute Stack」(ECS)のアップデートを発表した。親会社となった米Broadcomは製品パッケージの構成を変更、統合を進める意向を示しており、これを反映した変更となっている。
今回のアップデートでは、ハイパーバイザー・コンテナ・HCI(ハイパーコンバージドインフラ)パッケージの「基盤技術」をアップグレード、Software Defined Edge(SDE)事業部が提供するVMware Edge Cloud Orchestrator(VECO)などの新機能を追加する。
VMwareは昨年、旧「VMware SASE Orchestrator」に代わり、エッジでのクラウドサービスオーケストレーションを支援する製品としてVECOを発表した。「VMware SASE」とECSを統合管理するとともに、エッジコンピューティングのインフラ/ネットワーク/セキュリティの管理をシンプル化するプラットフォームとなっている。
当時の記者会見でサービスプロバイダおよびエッジ担当上級副社長 兼ゼネラルマネージャのSanjay Uppal(サンジェイ・ウパール)氏が語ったところによると、VECOでターゲットとしているのは、広範囲に分散し、リソースに制約があり、プログラマビリティと自動化に大きく依存したエッジ展開だという。
「当然こうしたインフラは、数千、数十万規模に拡張できなくてはなりません」と氏。「それらの設置場所がすべて分散するわけですから、プルベース を採用した(VECO)がきわめて重要になるのです」
VECOはECSの主要コンポーネントでもある。ECSはVMwareが2022年に発表したプロジェクト「Keswick」の商用版だ。KeswickはKubernetesワークロードのエンドポイントに当たるVMware認定ハードウェアで実行、攻撃対象領域を小さくすることでワークロードのセキュリティを向上させる軽量ソリューションとなっている。
ECSでは、エッジユースケースの管理に当たって仮想マシン(VM)やコンテナベースのアプリケーション/インフラに対してシンプルな手法を取れるようになっている。ゼロタッチプロビジョニングによるプルベースの設定により、導入やその後の管理を支援することなどが可能だ。
VMwareのエッジ製品に関するBroadcomの影響
今回のECSのアップデートでは、「Advanced」「Enterprise」の2バージョンが提供される。
Advanced版にはVECOのコアコンポーネントと「VMware vSphere Foundation」(VVF)が含まれ、併せて「Software-Defined Edge」環境のプロダクションサポートも提供される。VMwareによると、Advanced版のターゲットは「産業用PCや高耐久PCなど、さまざまなハードウェアによる単一ノードの展開に適した堅牢なエッジコンピューティングを必要とされているお客様」だという。また、Advanced版では直ちにテレメトリ機能を提供、今後年内にオーケストレーションを提供開始する。
Enterprise版ではAdvanced版と同じコア機能に加え、vSANストレージ(Enterprise版)1テビバイトとエッジ展開専用の「Software-Defined Edge」環境プロダクションサポートを提供。「複雑なニーズを持つお客様」向けにマルチノードクラスタで使用する共有ストレージを組み込んだとした。
Broadcomと直接関わりのある部分としては、VMwareが最近発表した新しいライセンス体系およびサポート体制が適用される。1年、3年、5年のサブスクリプション契約となっていることもその1つだ。
Broadcomの最高経営責任者(CEO)であるHock Tan(ホック・タン)は直近の決算説明会で投資家に対し、VMwareの顧客が更新時期を迎える際、サブスクリプションベースのより充実したソフトウェアサービスへの切り替えに尽力すると述べている。同社はVMwareの買収が完了した直後に永久ライセンスを廃止、サブスクリプションライセンスの促進を速やかに実行に移している。
VMware Edge Compute Stack gains tech, new license model (falls in with Broadcom messaging)
![Dan Meyer](https://www.newsme.jp/wp-content/uploads/2022/06/Meyer-2.jpg)
電気通信、5G、無線アクセスネットワーク(RAN)、エッジネットワーキングを専門とし、電気通信分野を20年以上担当している。SDxCentral入社以前は、RCR Wireless Newsの編集長を務めていた。
連絡先:dmeyer@sdxcentral.com
X(旧Twitter):@meyer_dan
LinkedIn:dmeyertime
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