オープンRANへの流れは「不可逆的」=VMware社幹部

業界団体O-RAN Allianceを巡っては、最近は保護主義、地政学、安全保障、国際貿易などに関係したさまざまなドラマがある。にもかかわらず、VMware社は同団体に確固としてとどまり、その最終目標を固く支持している。
ノキアのような大手ネットワーク機器ベンダーが同団体での活動を停止したり再開したりしたように、懸念材料があることは確かだ。だとしても、「この技術はいずれ実現します。当社はこれを推進し、実現させる手助けをしていきます」。VMware社でサービスプロバイダーおよびエッジビジネス担当上級副社長兼ゼネラルマネージャを務めるSanjay Uppal氏は電話インタビューで語った。
米国政府が中国を拠点とするメンバー企業の一部をブラックリストに載せていることへの懸念から、同団体を離れたり活動を休止したりするベンダーも出てくるかもしれない。とはいえ、Uppal氏はこの問題が現在行われている取り組みに大きな支障をきたすことはないと考えている。仕様策定のスピードに影響を与える可能性はあるとした。
ノキアがO-RAN Allianceへの参加を休止するに至ったこの問題は公式には解決したようだが、消えてなくなるわけではなさそうだ。米国政府のブラックリストに掲載された少なくとも2社の中国企業が今もO-RAN Allianceのメンバーに残っている。
とはいえ、オープンRANアーキテクチャを支持するほとんどの企業がそうであるように、VMware社もこうした課題を回避してRANのディスアグリゲーションによって実現できる目標に集中したいと考えている。
「私は、この流れは不可逆的なものだと考えています。いずれは実現するでしょう。IT業界のほとんどの分野で起きていることです。この分野でも起こるはずです」。Uppal氏は言う。「ディスアグリゲーションには多くのメリットがあります。この魔人を瓶に戻すのは非常に難しいことです。そういうことにはならないでしょう。とはいえ、今の時点では多少の中断や再開はあるかもしれません」
VMware社、「より正式な機関」でのオープンRAN標準化を支持
Uppal氏は、オープンRANの標準化を3GPPのような標準化団体が進めることもあり得るという考えを支持している。とはいえ、その一部を担うO-RAN Allianceの役割を軽視するつもりはない。
「私はO-RAN Allianceが行ってきた仕事のうちいくらかを3GPPが採用してほしいと強く望んでいますが、そうなったとしてもO-RAN Allianceは絶対に必要だと思っています」。Uppal氏によると、米Dish Wirelessのような通信事業者が実際に商用ネットワークを展開する段階になった時には、非公式な決定や相互運用性に関する作業を行なうことで生じる「知性の交流」が標準化プロセスを進展させる一助となるという。
「O-RAN Allianceはじっさい、標準化活動を助けることができると思います。それに、そう、今起こっているような地政学的な問題に巻き込まれることにはマイナス面もあります。だからといって、ネットワークの重要性を考えればこの取り組みから離れることはできないと考えています」と氏は言う。
「周波数帯の購入にかけた費用やインフラにかけた費用など、あらゆる意味合いを含めてです」と氏は付け加えた。「セキュリティ面の影響もあります。もし実際に誰かがある国からのトラフィックをすべて見ることができるとしたら、ただ事ではありません」
じっさい、米国政府が一部の中国ベンダーに対して一貫して主張している内容の1つは、中国政府の諜報活動を助けるために中国製の機器やソフトウェアが米国人に対するスパイ活動に使用される可能性があるというものだ。
「地政学的な問題、安全保障の問題と切り離すのは非常に難しいことですが、私は現在の方向性とO-RAN Allianceを強く支持していますし、もちろんいずれはもっと正式な機関を通じて標準化がなされることを確信しています」とUppal氏は話している。
https://www.sdxcentral.com/articles/news/vmware-exec-open-ran-trend-is-irreversible/2021/10/

Matt Kapko, senior editor at SDxCentral, covers 5G network operators, radio access network suppliers, telco software vendors, and the cloud. He has been writing about technology since before the dawn of the iPhone, and covering media well before it was social. Matt can be reached at mkapko@sdxcentral.com or @mattkapko.

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